2009年6月 8日 (月)

テックスメックス

51gizglae9l__sl160_aa115_  午後3時頃、キッチンで仕込みに追われていると、なにか人の気配が、、、

"Excuse me!(すみません)"という声がしたので客席のほうに行ってみると、大柄な黒人の女性が立っていました。にこやかな調子で "I'm craving for Mexican food! What time do you open?(私はメキシコ料理に飢えてるの。何時にお店開けるの?)" と聞かれ、午後5時半だと伝えると、"Can I see the menu?(メニューを見せて)" 、待ちきれない!といった感でメニューに目を通しだしたのですが、しばらくすると、その表情にどことなく落胆の色が、、、

 たぶん、彼女はサルシータのディナーメニューにブリトーやファヒータス、ハードシェルのタコスが無いのを見て「信じられない、がっかり。」という気持ちだったのでしょう。"Ok! I might come back!(あとで来るかも)"と言って店を出て行きましたが、will(来る)ではなくmight(来るかも)だった時点で、あーこの人は来ないな、と思ってしまいました。そして、結果も予想通り。駅の向こうにあるカリフォルニア風のメキシコ料理屋さんにでも行ったかな?

 ここ、広尾はご存知のように外国人の方達がとても多くて日本人のほうが少数派と思えるほどですが、メキシコ料理が好きな方がよその土地に比べてとても多い反面、やはり大半の方達はアメリカ風のメキシコ料理を期待しているんだなと実感します。

 アメリカにはメキシコ料理のお店が本当にたくさんあって、そのほとんどが本場メキシコ風ではなく、いわゆるテックスメックスと呼ばれる国境の北側のメキシカンです。タコスは油で揚げたハードシェル。トルティーヤは小麦粉のものが主流。味付けはメキシコの唐辛子ではなくチリパウダーを多用する。エンチラーダやブリトーには熔けるチーズをたくさん乗せる。小さい頃からそんな料理を食べて育ってきた人達には、とても愛着がある料理なんでしょうね。

 うちのメニューは、本場メキシコのものなので、そんな料理を目当てに来店される方のご期待を裏切ってしまうことが多いようです。ネットで「チーズが乗ってないエンチラーダは致命的だ。」などと書かれたこともあります。これって日本のお鮨屋さんで「アボカドの入ってる鮨がないのは致命的だ。」と言ってるようなものなんですけどね、、、

 せっかく来て頂いたお客さんのご希望に副えないのは心苦しい限りです。多くのお客さんはテックスメックス風のメニューでじゅうぶん満足するのだろうし、そんな料理に代えたほうが、需要も高く、コストもかからず、経営的には良いのかもしれませんが、本物のメキシコ料理を知ってしまった以上、もう後へは戻れません。明日からもメキシコの国旗を掲げて、"AUTHENTIC MEXICAN"と書いた看板を出してお客さんを待ち続けます。

 

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2009年5月20日 (水)

Y VUELVE OTRA VEZ!

Vuerve_otra_vez  新型インフルエンザ、遂に本格的に拡がり始めたようですね。関西では大変なことになっていますが、このぶんでは、関東で拡がるのも時間の問題のような気がします。

 ぼくも、通勤の電車ではマスクをするようにしました。お店を休めないのでね、、、実は、働き出してから、もう20年以上、健康上の理由で仕事を休んだことがないのが、ささやかなぼくの自慢です。

 それは、さておき、やはり、ゴールデンウイーク明けは、お客さんが減って、とても静かです。ただでさえ、この大不況で去年より売上が落ちているので、けっこう深刻です。インフルエンザの影響とは思いたくないのですが、、、

 そんななか、先週は恵比寿時代からのお客さんたちが、よく足を運んで下さいました。とてもありがたいです。こんな方たちの期待にこたえるために、腐らず、こつこつと頑張っていきたいです。

 さて、こんなぼくに最近元気を与えてくれているのが、サルサの大御所ウイリー・コロンのこのアルバムです。95年発売の「Y VUELVE OTRA VEZ!」 

 「AMERICAN COLOR」、「HECHO EN PUERTO RICO」とシリアスな内容の傑作が二つ続いた後のこの作品で、ウイリーさん、今度は昔の悪ガキに戻ったように、思いっきり弾けちゃってます。冒頭の軽快なナンバーは、役立たずと家族や親戚から疎んじられた男が宝くじに当たったとたん、世間の扱いが180度変わって巻き起こるドタバタ騒ぎを皮肉なユーモアたっぷりに演じきっています。悲喜劇に巻き込まれた男に出演を依頼する、ラウル・ベラスコ(シエンプレ エン ドミンゴ)、ベロニカ・カストロ(モビダ)、ドン・フランシスコ(サバド ヒガンテ)など、当時の人気バラエティショウ(今でもあるのかな?)の司会やそれらに出演していたであろう、トニー・ベガ、ヒルベルト・サンタロサ、グルーポ・ニーチェなどなど人気ミュージシャンの名前が出てくるところもリアルで面白い。

 タイトルのY VUERVE OTRA VEZ!(さあ、もう一度!)は、このアルバムが出る2年前に失意のうちに亡くなった、10代の頃からの盟友、エクトル・ラボーが、ライブの時に使っていた決め文句から取っています。ベテランの域に達していながら、シリアス路線から、一転、悪ガキ路線に転じたのは、エクトルを偲び、彼とやっていた頃をもう一度、思い出そうとするようなウイリーの心意気が感じられるのです。やはり、実の妹を亡くした後に出したアルバム「FANTASMA」は、とても内省的な内容だったのとは対照的です。そういえば、「FANTASMA」の最後の曲は、家族の故郷プエルトリコを昔ながらの美しい島と憧憬する内容だったのに対し、このアルバムの最後の曲は、近代化によって土地も人の心も荒廃していくプエルトリコを嘆き、怒っている内容になっているのも印象的ですね。

 このアルバム、曲の途中で、ウイリーがボソッとつぶやくところが何箇所かあるのですが、それが、自分に語りかけられているようでしびれます。(自意識過剰!)

 例えば、富と名声を手に入れるために、多くの人を踏みつけてのし上がった男のことを歌った歌の途中で、"Yo sigo pa'lante, y tú?,,,gozando!"(俺は、前向いて進んでるよ、それでお前は?(俺は)楽しんでやってるよ。) 

 愛することの切なさを歌った歌では"Cogelo suave amigo, que la vida es traicionera."(気楽に行こうよ。人生は裏切り者なんだから。)"Al mal tiempo, buena cara. Así decia mi abuela"(悪い時こそ、良い顔を。お婆ちゃんが言ってたな。)

 数々の苦難を乗り越えてきた男だからこそのこの渋いセリフ、言い回しも、いかにもニューヨークのプエルトリカンらしくて、ぐっと来ますね。ウイリーさんは、この一つ後のアルバム「DEMACIADO CORAZON」(これも傑作)を最後に引退してしまったのですが、もう一度、こんなウイリー節を聴きたいものです。

 Por favor, vuerve otravez!

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2009年4月 7日 (火)

入学式

Izumi_caminando  桜満開ですね。そんななか、今日は長女の泉の小学校の入学式に行ってきました。

 幼稚園は、駅の近くで少し遠かったのですが、小学校は、うちのすぐ近くにあるので、良かったです。一年に一回くらいしか着ない一張羅のスーツを着て、奥さんと妹の実花ちゃんと家族四人で出かけました。

 途中で、同じ小学校に通うことになった幼稚園のお友達に会って、「見て、今日は家族四人だよ。」と嬉しそうに言ってる娘を見て、普段、仕事にかまけて幼稚園の行事に全く行けなくて、寂しい思いをさせてしまっていたんだな、と感じました。御免ね。

 クラスが決まって、六年生のお姉さんに教室の自分の机に連れて行かれて、緊張した面持ちであたりを見回している様子を見ていると、この子も大きくなったな、と思って、感動しました。

 体育館で、校長先生や担任の先生達のお話を聴いて、写真撮影をして、二年生の子達からの歓迎の歌やお話も聴いて入学式が無事終わりました。新一年生の子達は、皆、お行儀良くて、先生や父兄の方達も、皆、感じの良い方ばかりで、とても安心しました。やはり、日本はいい国ですね。

 写真は、帰り道、おじいちゃんに買ってもらった新品のランドセルを背負って通学路を歩いて帰る泉ちゃんです。 

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2009年3月31日 (火)

サルシータも侍ジャパンだ!

Coyote まだ、ちょっと寒いけど、ようやく桜の季節ですね。今晩、娘二人と近くのピザ屋さんに食事に行きましたが、道すがら、たくさんの桜を見れました。うちのすぐ近くの公園は、まだ5分咲きくらいですが、ところによっては、満開のところもありますね。

 お昼は、税務署に消費税の申告をして、金融機関に税金を納めに行きました。もともとは、お客様からお預かりしているものなんですが、年に二度(中間納税があるので)かなりの大金を納めることになるのと、確定申告の直後なのでけっこう大変です。

 そんな思いをした後にニュースで、石原慎太郎知事が始めた「新銀行東京」が1000億円超の損失を出したことに対してある住民団体が監査請求をしたという話が出ていました。それに大して、東京都は「ノーコメント」だとか、、、石原さんは、あちこちのメディアで、「今の日本人は駄目だ」みたいな論調で憂国の士を気取っているけど、自分が主導して始めたこの銀行の破綻については、ほとんど人ごとのような態度で、まるで責任感を感じていないようです。こんな人が、どんなに立派なことを言っても、もはや白けるだけですけどね。今はオリンピック招致に夢中で、都のお金をその工作にどんどんつぎ込んでいるようですが、自分の名誉欲のために僕たちが必死で働いて収めた税金を無駄に使うのは止めて欲しいです。

 と、珍しく時事ネタになってしまいました。こっち方面に行くと際限無くなりそうなので、あまり触れないようにしてるのですが、今回は、あまりにタイミングが合ったので、つい、、、

 先週で、明るい話題と言えば、やはりWBCの日本の優勝でしょうか?連覇が決まった夜は、火曜日には珍しく遅くまで多くのお客さんで賑わっていまして、これもWBC効果かな?なんて話していました。日本流のきめ細かなスモールベースボールが、野球の本場の豪快でダイナミックなビッグベースボールを打ち破ったということですが、アメリカ人にしてみたら、面白くないでしょうね。言って見れば、けっこう前に、日本のお家芸の柔道で外国人選手に日本人が初めて負けた頃のような感じでしょうか?

 最近、ぼくもメキシコ人と一緒に厨房に入っていて、感じていたことが、自分はメキシコの味を表現しようとしているが、やはり、ぼくの作る料理というのは、あくまで自分の感性というフィルターを通したものなんだな、ということです。そして、自分というのは、やはり日本人だからか、メキシコ人にしてみれば、ここまでやるの?みたいな細かさがあるようです。どっか、侍ジャパンのスモールベースボールに通じるような、、、

 たとえば、サルシータでは、グアカモレ(アボカドのディップ)をほとんどオーダー毎に、すぐ出るであろう量のぶんだけ、何度にも分けて作るようにしています。アボカドの味はとても変わりやすく、30分もすれば、違う味になってしまうからです。しかも、味付けは普通、メキシコでは、玉ねぎやコリアンダー、唐辛子も入れますが、サルシータでは、アボカドの繊細な味をこわさないように、最小限の塩とライムだけ。また、他の料理についても、サルシータでは、各種の唐辛子のピューレを用意しておいて、素材の味を引き出せる分量だけ細かく調整して使うようにしていますが、こんなのも、日本人的かもしれませんね。

 よく、「このお店の料理は純粋にメキシコのものですか?それとも日本人向けにアレンジしてますか?」と訊かれることがありますが、そういう時は、「どちらも意図していません。自分が美味しいと思う料理を作っています。」と答えることにしています。だって、自己表現がしたいから、自分で店をやって、体がきつくても、朝から晩まで自分で料理をしているわけですから、儲かるから、とかウケルからとかじゃ無く、自分が美味しい、旨い、というのを基準にしたいじゃないですか。しかし、だからといってその料理が本場のメキシコ料理から遠く離れてしまうのはいけないので、そこはちゃんと気をつけています。だから、今、自分の商品に対する基準は、「自分が食べて美味しいか?」「メキシコの人が食べても美味しいか?」と二つあります。あと、最近は「体に良いか?」というのもありますね。

 本物のメキシコ料理を、と言いつつ、日本人である自分の個性を消すことは無い、と思うのです。メキシコ人の真似ばかりしてもつまらない。自分は自分で良い。それで、本場のメキシコの方に、「これ、美味しいね。」と言われたら嬉しいですよね。それが本当のメキシコへの恩返しですよね。

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2009年3月23日 (月)

タックスシーズン

Libros  自営業の方なら、皆、そうだと思うのですが、この確定申告の時期は、大変です。あちこちから領収書をかき集めたり、色々、慣れない計算をしたりと、、、

 もう10年目なので、多少は慣れましたが、一年に一度のことなので、忘れていることも多くて、毎年、四苦八苦しています。それに加えて、ある雑誌の取材なども入っていたので、ここ2週間ほどは休み返上で、大忙しでした。

お店のほうも、ここのところ、忙しくなってきていて、仕込みも多いので、朝から晩まで常に追われている感じです。まあ、閑なのよりは良いですよね。新しいスタッフも入ってきたので、気分もすこし新しくなっています。

 最近、料理の写真を撮っていないので、こんなのはどうでしょうか? トイレの手前にある、メキシコ関係の本がおいてあるスペースです。休憩時間などに、スタッフが手に取って読めるように、料理の本、旅行ガイドブック、芸術関係の本などが置いてあります。そういえば、うちのスタッフは、ここのところ、入れ替わり立ち代りにメキシコに遊びに行っていて、休み時間によく情報交換をしていますね。サルシータだけでガイドブックが一冊作れるんじゃないかと思えるほどです。左側のピンク色のものは、メキシコシティ郊外のコヨアカンで買ったミニチュアの食器棚、奥にあるのは、オアハカで買ったブリキのマリア様です。

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2009年1月26日 (月)

チェンジ!

 またまた、すっかり間が空いてしまいました。気が付いたら、前回の更新から2週間経っていました。このあいだ、お正月だったのに、もう1月も終わりに近いですね。

 世相を反映して、予想通り、とても静かな毎日が続きました。八百屋さんや酒屋さんなんかも、仕事が少ないらしく、いつもより配達の時間がどんどん早くなっています。周囲にも閉店する店がちらほら見え出しました。うちも、無事、10周年の節目を迎えられるか、正直、心配する日々でした。そんななか、スタッフたちが、2日おきくらいのペースでお友達を連れて食べに来てくれたり、昔からのお客さんが久々に訪ねてくれたりして励まされました。恵比寿店開店の閑な時に毎週のように来てくれた同い年の即興劇団主催FREECRUZのBOBIさん、原宿で古着屋さんをされているLUBY'Sさんのように同年代で自分の好きなことを仕事にして頑張っている人達を見ると、励まされるし、自分も頑張らないと、と思いますね。

世の中的には、明るい話題はオバマ大統領の就任でしょうか?その就任演説を、ぼくは見ていませんが、多くの人が感動したと言っているのを聞きました。彼は、本当に演説が上手いらしいですね。しかも、スピーチライターはまだ27歳の若者というから驚きです。アメリカという国の良いところは、自国の歴史とか聖書の言葉とかを皆が共通事項として認識出来ているところですね。自分達を歴史の一部分として位置づけ、祖先の苦難の歴史を振り返りつつ、未来の自分達の子孫への思いに繋げて使命感を喚起するところは、ケネディ大統領の「たいまつは受け継がれた、、、」という有名な就任演説に通じるところがありましたね。

 前回のアメリカ大統領選挙の時、カウンターでアメリカ人のお客さんの会話を聞いていて、殆ど全ての方が民主党のケリー支持だと感じていました。しかし、開けてみたらブッシュの勝利。そして、それぞれの候補が取った州を地図で見たら、カリフォルニアやニューヨークなどの東西海岸は全部ケリーで、テキサスをはじめとして中の州はほとんどブッシュと見事なコントラストを作っていました。あの時、アメリカは一つの国ではなく、(少なくとも)二つの全く考えの異なる人達がすんでいる場所なんだな、と感じたものでした。「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」らしいですし、、、

 アメリカは暴力と言葉が過剰な国だと言われます。世界中の色々な場所から来た人達が隣同士で暮らしていくうえで、相手との溝を埋め自分を表現するコミュニケーションの手段としてその二つが発達したのだとか。ブッシュは暴力を推し進めて大失敗しましたが、オバマ大統領は、人種的にも多様なバックグラウンドを持っているし、その卓越した言葉の力で、アメリカを「ユナイト(団結)」出来るのでしょうか?

 

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2008年12月30日 (火)

今年はお世話になりました。

ご挨拶が遅れました。

サルシータは、一昨日、28日をもちまして、本年の営業を終了させて頂きました。本年中のご愛顧どうもありがとうございました。

 昨日は、私用で新宿に出かけた後、銀行関係の処理をしたり、深夜までかかって帳簿の整理をしたりしていました。過去を振り返る間もなくノンストップで走り続けて来たので、帳簿を眺めてみて、改めて、今年一年の道程をゆっくりと思い出すことが出来ました。

 お店のセールス的には、前半はどんどん上り調子で来たのが、8月のバケーションシーズンでちょっと下がり、9月のリーマンショック、それに続く金融危機以降、けっこう冷え込みましたね。11月後半から12月で、ちょっと盛り返しましたけど、、、

 お店のスタッフも、フルタイムで働ける人材が4月から自分だけになってしまい、兎に角、人材の確保に四苦八苦した年でもありました。お店を回せる人数を確保しないといけないけど、余剰な人数を配置できる余裕も無いので、毎週、パズルをするようにスタッフのスケジュールを決めていました。

 僕自身も、毎日、朝の9時から夜の12時まで働いて、休みの日にも事務の仕事や買出しなどに追われ、後半は、メキシコのアートの講座を受講していたので、あまり家に居る時間が無くて、家族には悪いことをしたと思っています。

 毎年、クリスマスの時期にお店でかける、グロリア・エステファンのアルバムの曲に、「新しい年は、ちゃんと生きるぞ」というフレーズがあるのですが、今年もそれを聴きながら「そうだ、そうだ」と思ってしまいました。これも毎年のことなんですが、、、でも、今、報じられているような、年の瀬に職も住居も失ってしまったような人たちと比べると、贅沢な悩みですよね。自分の好きな仕事を思い切り出来るんですから、、、

 2009年はサルシータの10周年の年になります。今の世相からすると、今までなかったような厳しい年になるかもしれません。しかし、こういうときこそ、本当に価値あるものを提供できるところが生き残ると信じて、今まで通り、美味しい、身体に良い料理を作り続けるだけです。そして、もっと多くの人に本当のメキシコ料理を知ってもらうために努力しないといけないと思います。新宿なんかに、たまに行くと思うのですが、こんなに人がたくさん居て、ちゃんとしたメキシコ料理を知っている人がこのなかにどれだけいるのだろうかと?まだまだ、少ないですよね。

 何はともあれ、今年も終わりです。ちょっと長めのお休みを頂いて、来年も頑張ります。皆さん、良いお年を!

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2008年10月21日 (火)

フリーダ・カーロ

Frida  最近、ずっと休みの日が雨だったのですが、今日は久々に良い天気でした。いつもより少し寝坊をして8時半に起床。下の娘の実花と少し遊んでから、浅草の合羽橋道具街に出かけました。割れて少なくなってきた食器や、長い間使って古くなった調理道具などを買い替えたりしながら、約2時間ほど、色々なお店を廻りました。いつも思うのですが、ここに来ると、あっという間に時間が経ってしまいます。良さそうな道具があると、つい、これを使えば、もっと美味しいものが出来るんじゃないかな?なんて思ってしまうんですよね。結局、両手一杯になるほど、買ってしまいました。

 帰り道に、昔、同じ釜の飯を食べた仲の知り合いが店長をやっている「萬鳥」というハイカラな焼き鳥屋さんにお邪魔して、少し雑談をしました。話題に上るのは、最近の景気のこと、なかなか求人の応募が無い事など、、、今、多くのお店が抱えてる悩みでしょうね。

 一旦、家に帰って、子供達の顔を見てから、ジャパンファウンデーションの「メキシコの美の巨星たち」の講義へ。今回のテーマは「フリーダ・カーロ」、講師は、彼女について素晴らしい本を書かれている堀尾真紀子さん。フリーダについては、いろいろな書籍や映画などで語られていますが、今回、改めて感じたのは、闘う女性だったんだな、ということです。現代の闘う女性、マドンナが彼女を崇拝しているのもうなずけますね。マドンナはフリーダの絵を2点も所持しているそうです。

 実は、フリーダがちゃんと評価され始めたのは、彼女が亡くなってかららしいです。夫のディエゴ・リベラが、あまりに有名だったので、「ディエゴの妻」という印象でしか捉えられていなかったらしいです。フリーダが生きた時代は、オロスコ、リベラ、シケイロスの、いわゆる「三大壁画家」が活躍していた時代で、社会的なメッセージを持った絵が高い評価を得る時代だったので、ひたすら自己に向き合って自画像を描き続けたフリーダが脚光を浴びることは無かったようです。しかし、今になってその作品を見てみると、プロパガンダ的なリベラ達の壁画が、ある種、ノスタルジックな感傷を呼び覚ますのに対し、悲痛な自分の姿を描いたフリーダの絵は見る者の心に強く迫ってくる強さを感じます。

 昔、あるブラジルの女性歌手が、「実はインティメイト(内向的)なことが一番ユニバーサルなことなんだ。」と語っていましたが、人は誰でも自分が何者なのかということを一生探し続けているようなものだから、自分を見つめて表現し続けたフリーダに多くの人が魅かれるんでしょうね。

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2008年9月30日 (火)

ルイス・バラガン

 ジャパン・ファウンデーションでの「異文化理解講座」の「メキシコの美の巨星たち」シリーズ第二回に行ってきました。

 Photo                     今回のテーマは、あの安藤忠雄さんにも多大な影響を与えた偉大な建築家ルイス・バラガンについて、バラガン研究の第一人者、斉藤裕先生のお話を聞きました。

 コルビジェ達の近代建築を学びながら、そこから脱却して、自分を育んだメキシコという風土を抽象化して独自のスタイルを築き上げた孤高の芸術家の比類ない探究心、小さなディテールに徹底してこだわりながら、大きなテーマを具現化していく、物を作る者としての妥協無い姿勢など、とても刺激のあるお話を聴くことが出来ました。特に興味深かったのが、彼は自然との調和をとてもよく考え抜いていたことでした。家の中にプールを作ってそこに外からの光を当ててみたり、ある庭では、そこに生えている無花果の樹の葉っぱの大きさを意識して、その葉が地面に落とした影とマッチする大きさの石を敷き詰めて自然のモザイクが出来るように造ってあったり、家に差し込む光を色の付いた壁に当てて、そこから反射する光を白い壁に当てて柔らかい色調の壁を演出したりと、とにかく芸が細かい!若い頃、フランスからモロッコを旅して、ムーア的な建築の洗礼を受けたことが、あの光と水の使い方に現れているのでしょうか。スペイン人によって持ち込まれたアラブ的なものも、メキシコの複雑な文化を織り成すモザイクの一部ですからね。また、「手摺りの無い階段」というコンセプトも、古代マヤ、アステカ文明のピラミッドの階段を意識し ていたもののようにも思えました。これについては、質疑応答の時間で確かめたかったのですが、斉藤先生のお話が、つい熱が入りすぎて時間が無くなってしまったため、叶いませんでした。

 あの、オクタビオ・パスと仲良しだったらしいですけど、二人とも、メキシコというものを徹底して突き詰めていった芸術家という点で共通していますね。

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2008年9月23日 (火)

メキシコ漬けの一日

 今日は、お台場のホテルで行われたメキシコ農水省主催のメキシコ料理のワークショップに、サルシータスタッフのサダ君と参加して来ました。

 出かける前に、お店でちょっとした雑用を、ラジオを聴きながらこなしていたら、J-WAVEのBOOMTOWNという番組で、メキシコのグアナフアトという街(サルシータスタッフのアドリアン君の出身地です)のことを話していて、朝からメキシコ気分が盛り上がりました。そういえば、この番組のブログにサルシータが紹介されていたこともありましたっけ。

 ワークショップは大使館の方やメキシコ関係者の方で大変賑わっていました。2年前に、一度参加しましたが、その時と同じ、にこやかでチャーミングなアナシェフの、ユーモアをまじえた説明付きの料理の実演は、とても判りやすく、お料理も美味しく頂けました。メインのお皿はメキシコ産の牛肉の料理でしたが、味もよく、安全面も問題無いということでしたので、サルシータでも、メキシコ牛肉の導入を検討してみようかな、と思っています。

 そういえば、会場で一際目立って、あちこちに挨拶されていた方、どこかでおめかけしたよなあ、と思っていたら、先週、お店に来られた方でした。あらためて、挨拶させて頂きましたら、メキシコ農水省の日本公使の方でした。

 その後、根津の「NOMADCAFE」にメキシコに行って作品を作っている日本人芸術家の荒木珠菜さんという方とメキシコの画家パトリシア・ソリアーノさんの二人展を見させて頂きました。あのあたりって、下町ながら、お洒落なカフェやギャラリーがけっこうあるんですね。落ち着いた空間で、とても居心地良かったです。荒木さんの「骸骨の行進」という作品を気に入って、購入申し込みをしてしまいました。うまくいけば、1ヶ月後くらいに、サルシータに飾れるかもしれません。

 その後、四谷の「JAPAN FOUNDATION」というところで、今日から始まった、「メキシコの美の巨星たち」という講義を聴きに行きました。尊敬する、東京大学大学院の野谷文昭先生コーディネイトの講義で、今日から10回に渡ってメキシコの偉大な芸術家と、彼等彼女等を育んだメキシコという土地について、各界から第一人者の方を呼んでお話をして頂く、というとても興味深い企画で、ちょうど、お店がお休みの月曜日に行われるということで、参加を決めたのです。初回の今日は、野谷先生がメキシコ文化を形成している様々な要因について、歴史的、地理的な背景を含めて解説して下さいました。日頃、先生の著作を愛読しているので、比較的すっと頭に入りました。次回から、いよいよ一つ一つの分野に光を当てて、突っ込んだ講義になると思います。因みに次回は「建築」だそうです。

 というわけで、朝から晩まで「メキシコ漬け」の一日でした。そして、明日から、また、メキシコ漬けの毎日が始まります、、、

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2008年9月 2日 (火)

El verano se va. 夏が行く

 いつの間にか、もう9月ですね。毎年、思うのですが、夏は短い!ヨーロッパの国の人達のように長い夏期休暇が取れれば、そうは思わないのでしょうが、こちらは、そんな余裕もなく、たった3日の休みを挟んで働き通しなので、、、

 まあ、地道にやっていれば、何か良いことがありますよ。先週の木曜日は、駐日メキシコ大使が、初めて、サルシータにお見えになりました。大使館の他の方達は何度かお見えになっていたのですが、今回は、大使ご本人ということで、ちょっと緊張しました。今や常連?のグアテマラ大使との昼食会だったのですが、さすが、ラテンの男達、昼間からテキーラを飲みながら、お国の話に花が咲いていたようです。大使はとても気さくな方で、とても良い店だ、と褒めて下さり、「オメデトウゴザイマス。」とカタコトの日本語で祝福して下さいました。大変、名誉なことで、これからも頑張らねば、という気持ちになりました。

 その前の水曜は、ラジオ局、インターFMの「PASSPORT TO PRICELESS」という番組の食事会があり、日本ではなかなか味わえないメキシコの味を、ということで、特別コースを作らせて頂きました。サボテンのサラダ、鶏のモレ、コチニータピビル、といった、当店の定番メニューに加えて、タマルやソペといった、普段作っていないものも作りました。一皿出すたびに、ゲストの方の前で料理の説明もさせてもらいました。皆さん、熱心に聞いて下さったので、こちらもついつい力が入りましたね。反響も上々だったようなので、放送が楽しみです。ちなみに今週末の放送のようです。

 今夜、家族で食事をしたカフェで、ボサノヴァの名曲「三月の水」が流れていました。今頃、三月の曲?と思われるかもしれませんが、南半球のブラジルは日本と季節が逆なので、三月は夏の終わり、つまり、日本でいうとちょうど今の時期のちょっと寂しい感じを歌った曲なのです。ちょうど今の時期にぴったりだなあ、と思って聴き入ってしまいました。

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2008年8月26日 (火)

男の簡単料理

P8190127  お盆の箱根旅行から帰って来ました。家族ともども、温泉にゆっくり浸かってリフレッシュしました。やはり、日本はいいですね。旅先で世界のあちこちの温泉に入りましたが、やはり、日本の温泉のあの絶妙な湯加減は格別ですね。日本で普通に暮らしていると、別に特別なことではないのだろうけど、海外で暮らして日本に帰ってくると、日本の良さを実感しますね。

 さて、今日は、ある大人向け雑誌の依頼で、「男の簡単料理」というページに使う料理を四品考えて、都内の料理写真家の大家の方のスタジオで撮影してきました。料理の初心者の男性でも作れる料理を、ということで、これは簡単だろうと、気軽に引き受けてみたものの、普段は、如何に珍しい食材を使ってメキシコらしい料理を作ろうか考えているのに、今回は、なるべく身近な食材で誰にも受け入れられる料理を作ることを考えなければいけなかったので、けっこう悩みました。しかし、そのかいあって、まあまあ納得いけるものが出来たかな?と思っています。また、写真家の方はかなりご高齢でいらっしゃいましたが、仕事に対する姿勢が真剣で大変なこだわりを持った方で、おおいに刺激を受けました。雑誌の発売日など、詳しいことがわかったら、また、お知らせしますね。

 息ついている間もなく、今度は、明後日に迫った、あるラジオ局の番組の食事会のためのメニューを考えています。なるべく、一般に知られていない本場のメキシコ料理を、ということで、普段作っていないような、ちょっと珍しい(といってもあちらでは普通なんですが)料理も作ろうと思っています。

 僕達の仕事は毎日、同じことの繰り返しという性質があるので、たまに入るこういうメディアの仕事は、ちょっと大変でも、良い気分転換になるし、自分を成長させてくれるので積極的にやっていきたいですね。

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2008年8月17日 (日)

お盆休み

Robot  お久し振りです。毎日が飛ぶように過ぎて行ってる感じで、気が付けば、8月も後半ですね。過ぎてみると、あっという間ですが、振り返って見ると、今週もいろいろなことがありました。

火曜日は、いつもホールのスタッフのユニフォームなどでお世話になっている、新橋の「カフェ イ アルテ」のお誕生日ということで、オーナーの織家さんとスタッフの方が来店されました。サルシータがオープンした時にお話を伺ったら、確か25年やってると仰っていたので、もう34年?ですかね。凄いなあ。お誕生日のデザートを運んで行ったときに、新人のメキシコ人スタッフのアドリアン君が、メキシコのお誕生日ソング、「ラス マニヤニータス」を歌ってくれて、とても感激されました。頼まれているわけでもないのに、お客さんを楽しませようとすることが、自分から出来る、さすが、サービス精神旺盛なメキシコ人ですね。素晴らしい!

 水曜日はとても忙しい1日でした。そんななか、電話機が壊れてしまって大変でした。電話が通じないことで、沢山の皆さんにご迷惑をおかけしたと思います。申し訳ありませんでした。入ったばかりのスタッフが多くて、なかなか、仕事がスピーディに終らず、終電に間に合わず、結局、お店で寝ることに。

 次の朝、6時に起きて地下鉄で築地に買出し、お盆休み直前だったので、人が多いかなあ?と思っていましたが、そうでもなかったですね。約9年間、通っていますが、最近、市場に買い付けに来るプロの人は減っているような気がします。逆に、外国人を含め観光客が増えましたね。特に市場内のお鮨屋さんは、すごい行列で賑わっています。いつもは、朝そんなに食欲無いので入ったことが無いのですが、この日はお腹が空いていたので、お客さんの少ないお店を探して少しつまみました。短い時間でさっと食べれる、やはり、鮨はファーストフードですね。お店に帰ってから、ランチの仕込みをして、他のスタッフが来るのを待ってから、渋谷の家電量販店に電話機を買いに行きました。色々な種類があって迷いそうでしたが、時間が無いので、ささっと決めてしまいました。

1日半、電話が通じなかったお陰で、週末の予約が、いつもの半分くらいしか入ってなくて心配しましたが、金、土、とまあまあお客さんが入ってくれて、一安心。土曜日は、奈良から兄家族が上京して、来店。うちは女の子二人だけど、兄のところは男の子二人なので、やはり、子供の興味の対象が違うようで、面白いですね。遊びに行きたいところが、東京ドームで野球を観たいなんて言っていたので、やはり、男の子だなあ、と思ってしまいました。

 金曜日の朝のテレビ「はなまるマーケット」にサルシータデザートの「アロス コン レイチェ」が出演?しましたが、予想通り?ちょっとだけの時間で、しかもスペイン生まれのデザートと言う面だけが強調されてメキシコのメの字も出てなかったようですね。お店の名前と写真は少し出ていたようですけど、、、ホームページに書いたりしてたから、期待して見てくれた方もけっこう居たようでしたが、あんな感じで期待はずれだったでしょうね。すみません。

 実は、今度はラジオと雑誌である企画が進んでいます。もっと詳しく分かってきたらお知らせしますが、今度は、けっこう面白いものになりそうです。今、雑誌に載せる料理のレシピを考えているところで、けっこう頭痛いです。いつもお店で作っている料理と違うタイプのものなので、、、でも、何事も挑戦、頑張ります!

今日から、3日間、お盆休みを頂きます。ちょっと、箱根でゆっくりしてきます。帰ったら、また頑張って仕事しますので、よろしくお願いします。写真は、我が家の留守番をしてくれる、泉ちゃん作のロボット君です。

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2008年7月23日 (水)

野谷文昭先生

Photo サミットも終わり、大使館関係の方々は夏のバケーションに出られたのか、比較的、静かな毎日が続いています。まあ、何人か去っていったスタッフもいて、それを補う人の補充が出来ていないので、それなりにバタバタした日々なのですが、、、

 そんななか、今日は嬉しいことがありました。尊敬するラテンアメリカ文学研究の第一人者、野谷文昭先生のゼミの打ち上げに料理を提供することが出来たのです。このブログで、いつか、野谷先生の著書を愛読していると書いたことがあったのですが、それを先生のお弟子さんが読んでくれていたみたいで、今回、お料理の注文を承ったしだいです。

 当店の人気メニューの「コチニータピビル」と「鶏のモレポブラーノ」を作らせて頂きましたが、お気に召していただけたでしょうか?

 改めて、本棚を見てみると、先生の著書「ラテンにキスせよ」、「マジカルラテンミステリーツアー」、それから訳書では、ボルヘス「七つの夜」、パス「鷲か、太陽か」、プイグ「蜘蛛女のキス」のような愛読書が並んでいます。そういえば、「七つの夜」の中で、老境に入り、視力を失ったボルヘスが、「失明して、人の優しさに触れられるようになったことに感謝している」というようなことを言っていて、そういう感性でいられたら、辛いことがあっても希望を持って生きていけるな、と励まされたものでした。

明日からも頑張ろう!

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2008年7月 8日 (火)

厳重警備

 洞爺湖サミットの影響で、店近辺はすごい警戒体制が敷かれています。サルシータの入っているビルの横にも、24時間、警官の方が貼り付いて見張っているので、夜帰るときに、戸締りしなくても良い?と思われるほど。この広尾近辺は、各国大使館が密集しているので、ほぼ100メートルおきごとに警察官が立っているほどの厳重警備ぶりです。

 やはり、サミットの影響なのか、ランチタイムの常連さんの大使館の方々の姿が見えません。皆、北海道に行っちゃったのかな?などとお客さんの少ないランチタイムにスタッフ同士で話をしています。

 そんななか、近所に住んでるご家族のお客さんでよく来店してくださる方達がいらっしゃいます。けっこう小さなお子様や、生まれたばかりの赤ちゃん(さすがに料理は食べられませんが)もいて、この子達はうちの料理を食べて大きくなって、大人になっても来てくれるのかな?などと想像してしまいます。そう考えるとこの仕事も人の役に立っている良い仕事だなあと思えてくるのです。

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2008年6月19日 (木)

過ぎていく日々

ご無沙汰してしまいました。すみません。最近、あれこれと、兎に角忙しくて、なかなか、ブログを更新する時間が取れませんでした。

 仕事のある普通の日は、大体、8時くらいに起きて、朝食を食べて、9時半くらいにお店に出てランチの仕込み、ランチが終ったら、すぐ、買い物に行ったりして、夜の仕込みに入いり、4時半くらいから、スタッフの賄いを作り、5時に食事をして、5時半にディナータイムがオープン。ラストオーダーが10時で、最後のオーダーを出してから、片付けに入り(週末などは、けっこう遅くなります。)業者への発注、伝票の整理、レジ締めで一日の仕事が終る頃は12時を過ぎてしまいます。終電が12時半なので、それには間に合って帰りますが、家に着くと1時過ぎていて、それからお風呂に入り、晩ご飯を食べてから、パソコンに向かうのですが、大体、メールをチェックして、ちょっと気になったことを調べたりしていると、眠くなってしまって、ブログの更新までなかなか出来ないのが現状です。

 休みの日は時間があるようで無くて、普段出来ないお店の雑用を片付けたり、やはり、普段出来ない子供の相手などをしていたら、あっという間に晩になってしまい、子供をお風呂に入れて、晩ご飯を食べて、子供を寝かしつけていると、日頃の寝不足がたたって、一緒に寝てしまいます。

 そんな感じで、毎日がどんどん過ぎていく感じです。もちろん、お店では毎日、色々なことが起きます。広尾店オープンから働いてくれていた留学生のスタッフが次のステップのために辞めて、新しいスタッフが入って来たり、すごく懐かしいお客さんが訪ねて来たり、大きなパーティがあったり、、、そう言えば、先週の金曜日は、広尾在住の外国人の方達の貸切りパーティでは、お店を暗くして、バーをキャッシュオンデリバリースタイルにして、音楽もダンスチューンにして、まるで「クラブ サルシータ」になったようでした。その次の土曜日の昼は、小さな子供さん連れのお客さんが沢山来て「ファミレス サルシータ」になっていましたが、、、その日は、メキシコに住んでいた方達の集まりもありましたね。とてもにぎやかでした。

 という感じで毎日が過ぎています。

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2008年6月 3日 (火)

痛!

 朝一番で病院に行って、右足の魚の目を除去して来ました。お医者さんに、「痛くありませんから」と言われて、安心してたのですが、かなり、痛かったです。思わず、ちょっと前に読んでいた小説の拷問の場面を思い出してしまいました(笑)。思ったより深く入っていたみたいで、「これじゃあ、歩く時、相当痛かったでしょう。」と言われてしまいました。ぎりぎりまで我慢していたので、こんなことになっちゃったんですね。これからは、自分の体の状態にもっと気を配らなくては。身体あっての仕事ですからね。

 お店でデリバリー代行サービスの会社の人の話を聞きました。お店の料理を近隣の住民の皆さんのご家庭に届けてくれるサービスです。お店がある広尾は住宅街なので、デリバリーの需要がけっこうあるようです。特にこのあたりの大きな家に住む外国人の人達からは、けっこう必要とされているようなので興味はあるのですが、今のところ、来店されたお客さんに出す料理だけで精一杯なので、とてもやれる状態ではありませんね。

 先週は、大きな人数のパーティがけっこう入っていて忙しかったです。広尾店をオープンしてから約10ヶ月になりますが、今までで一番忙しかったかも。これから夏本番に向けて、お店はもっと忙しくなりそうです。我々の仕事は肉体労働なので、身体のケアをちゃんとして、美味しい料理をいつでも出せるように頑張らなくては!

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2008年5月29日 (木)

雨の日はミステリーを読もう!

長年慣れ親しんだバイク通勤から電車通勤に切り替えて、早、半年近く、、、ぼくが乗っているのは、学芸大学から広尾までなんで、時間にすると、ほんの10分ちょっとなんですが、活字中毒者?なので、ついつい色々な本を読んでいて、面白いと駅に着いてもしばらくはホームで続きを読んでしまうこともしばしば、、、こんなぼくが今、嵌っているのが、早川書房が出しているミステリのアンソロジーです。ミステリって、純文学などと比べて、娯楽小説だと軽く見られがちですが、こういうのを読むと、人生の影の部分にも光を当てていて、実に読み応えがあります。 これからの梅雨の季節、ますます、嵌りそうです。そういえば、先週は、あるミステリ作家の方の出版記念パーティーがサルシータでありましたが、このです。自分の本が本屋さんの棚に並んでるのって好い気分でしょうね。

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2008年5月27日 (火)

足が痛い!

 お久し振りです。ここ1週間ほど、前から少し気になっていた、右足の魚の目の状態が悪化していて、歩くととても痛いので、それを庇うようなへんな歩き方をしていたら、右足のふくらはぎと太ももが筋肉痛になってしまい、仕事に支障を来たすようになったので、昨日の朝、病院に行きました。受付してから、2時間も!待たされて、診察時間はほんの数分だけ、痛いところに皮膚を柔らかくする薬を貼って、来週、魚の目を除去するので、また来てくださいと言われました。ぼくは、お医者さんが苦手で、ついついぎりぎりまで放置してしまうのですけど、行くとそんなにたいしたことないんですね。

 それから、酒屋さん数件を廻って希少なテキーラを6本ほど購入。先週は、高いテキーラがよく出ました。高級テキーラは、お店に各1,2本ずつしか置いてなくて、取引先の酒屋さんも持っていないので、こうやって地道に調達しないといけないのです。何本か、新しいテキーラを見つけたけど、悩んだ末、今回は見送ることにしました。けっこう、高いものなので、失敗すると怖いんですよね。試飲出来れば良いのですが、、、

 東急ハンズで木工用のハンマーを購入、トルティーヤをプレスする機械の釘が弛んできたので、これで、叩いて元に戻しました。やはり、メキシコ製は耐久性が今ひとつですね。

 八百屋さんからもらったグレープフルーツがあったので、モルトビネガーと氷砂糖に浸けておきました。夏バテ防止のフルーツビネガードリンクになるかな?テキーラやミントにも合うかな?などと想像しながら、、、

 自宅の近くのケーキ屋さんで奥さんの誕生日ケーキを購入。「おたんじょうびおめでとう、ママ」とメッセージを入れてもらいました。このあたりはスイーツ激戦区、このお店もけっこう有名なお店です。なにか本でも出すのか、テレビ番組なのか、厨房にカメラとたくさんのクルーが入って、ずっと作業の模様を撮影していました。

 そんなこんなで、休日なのに、朝から夕方まで外を飛び回って、今日も子供達と遊んであげられませんでした。みんなで美味しいケーキを食べられたのが、せめてもの救いかな。来週こそは、と(今週も)思ったのでした。

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2008年5月20日 (火)

はせがわ酒店

 あっという間に時間は経ちますね、またまた、ほぼ、1週間ぶりの更新になってしまいました。

珍しく、時事ネタから入らせて頂くと、中国の地震はすごい被害のようですね。東京でも、この間、地震がありましたが、やはり、恐いですね。それにしても、中国政府は,何故、他国からの援助を積極的に受け入れないのでしょうか?国同士の協調を謳うオリンピックを開催するのだから、こういうときこそ、もっと交流すれば良いのに、、、と思うのはぼくだけでしょうか?

 さて、話題を変えて、先週末はアメリカはサンディエゴ在住の友人が、お店に訪ねてきてくれて、久々に再会を果たしました。なんと、中学から大学まで同級生だった、というお友達7,8人で来てくれましたが、そんな長い付き合いの友人がそんなにいるなんてすごいですよね。久し振りに会った彼女は相変わらず、元気いっぱいで、ランチタイムの開店から閉店までずーっと、楽しそうにお話していましたね。キッチンまで声がよく聞こえていましたよ。(笑) ちなみに彼女のサンディエゴ生活の模様はブログで見れます。「あさみのDIY日記」 

先ほど、テレビ東京の、作家の村上龍さんがホストをしている番組に、昔、お世話になったことのある、江東区の酒店、「はせがわ酒店」の長谷川社長が出演されていました。前からすごい方だと思っていましたが、日本人の日本酒離れが進む中、無名だけれど質の高い日本酒を全国から発掘されて紹介され続けている姿勢に、改めて感銘を受けました。実は、10代の頃からお世話になって、あちこち連れて頂いた方が、今、社長の右腕になっていまして、その方もちらりとVTRに出ていましたが、貫禄が出ていましたね。

 番組の中で、一番印象に残ったのは、「自分が良い(旨い)と思ったものを人に教えてあげて、それでその人達がびっくりするのを見るのは快感ですね。」という発言。龍さんも「そうですね。」と同意していましたが、それは、ぼくも同感ですね。そういえば、龍さんも、マイナーなキューバ音楽を、自分のレーベルを作って紹介したりしていましたよね。あと、「日本酒なんて、そんなに旨くなくても(酔えれば、それで)いいんだ」、という上の世代の方達の意識にはがっかりした、という発言。「メキシコ料理は辛ければいいんだ。テキーラは強くて酔っ払えばいいんだ。」という自称”通”の方達の意識にがっかりしているぼくも共感!しました。表参道ヒルズにお洒落なお店を出して、高級外車を乗り回している長谷川社長の真似は出来ないけれど、その姿勢は少しでも見習おう、と思いました。

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2008年5月16日 (金)

通が来ない!

 恵比寿に初めて自分の店を開いてから、早、もう約9年、この間にいつも疑問を抱き、かつ、残念に思っていたのが、「メキシコ通の人がお店に来てくれない。」ということでした。

メキシコは多様な魅力に溢れた国。その魅力への入り口は実に様々です。ある人にとっては、マヤやアステカなどの古代文明でしょうし、他の人にはフリーダ・カーロ、或いはディエゴ・リベラなどの絵画。ボクシングやプロレスなどの格闘技好きな人、ビビッドな色使いの民族衣装や民芸品から入る方もいるだろうし、バハやユカタンのビーチリゾートに魅せられる方もいるでしょう。西部劇の影響で、という方も少しはいらっしゃるようです。或いは、神秘的な先住民の文化やフエンテスやルルフォなどの文学に興味を持って、という方もいらっしゃるでしよう。

 でも、そういう特定の分野にはまってる方でも、こと料理に関しては、そんなに興味が無かったりするんですよね。料理は全ての文化の基本なのに、、、

 実は、何度か、メキシコ通で、何度も彼の地に足を運んでいる方達に、どうして、日本でメキシコ料理を食べに行かないのか、訊いたことがあります。それに対する彼等の答えは、一様に「日本のメキシコ料理は、高い割りに美味しくない。」というものでした。

 確かに、今までは、そうだったかもしれません。でも、今は違いますよ。何故なら、サルシータがあるから!リーズナブルなお値段で、本当の美味しいメキシコ料理を食べることができます!

 なんで、今日、こんなことを書いたかというと、昨晩、五反田にある「メヒコ屋」さんが来てくれたからです。美味しいと、満足して頂けました。

 うちの店がきっかけで、メキシコに興味を持たれた方もたくさんいらっしゃいます。だから、是非、もともとメキシコ好きな方、メキシコ通な方に、もっと、日本でもメキシコ料理を食べに来て頂きたいのです!そしてメキシコ好きな人の輪をもっと広げていこうではないですか!

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2008年5月12日 (月)

モクテスマの復讐?

 メキシコに旅行に行った観光客が、よく食べ物にあたってお腹をこわすことがありますが、それを向こうでは「モクテスマの復讐」と呼びます。アステカ帝国最後の皇帝でスペイン人に殺されたモクテスマの怨念が、食べ物に乗り移って誰彼構わず、外部から来た者の胃に襲いかかる、、、と言われているからです。

 何度もメキシコに行っているぼくですが、この「復讐」から逃れたことは無くて、いつも苦しめられています。何度も同じ目にあっているのだから、少しは用心して、屋台や市場で食べないで、ホテルや高級レストランだけにするとかすれば良いのかもしれませんが、やっぱり、そういうところに美味しいものがあるので、毎回、あちこちで食べまくって、「復讐」され続けております。

 何で、今頃、こんな話をするのかというと、先日、ここ日本で食あたりになってしまったのです。たぶん、お店の近く(うちのお店で、ではないですよ)で食べた海老のサンドウィッチが原因だと思うのですが、、、他の人もいっぱい食べていたようでしたが、大丈夫だったんでしょうかねえ?まあ、ぼくは、元来、胃がとても弱いほうなので、あと、連休明けで疲れていたというのもあるのでしょうね。

 おかげで、せっかくの休みもほとんど寝て過ごすはめになってしまいました。唯一、出来たのは、ちょっと前に放映された、ギャル曽根ちゃんたちがメキシコでいろいろ食べる番組をビデオで鑑賞したくらい。翌日には、なんとか痛みも収まって、仕事は出来たのですが、感覚が完全にもどっていなくて、なんかぎこちない感じでした。いつもの味覚と違うというか、、、まるで濃い霧の中を歩いているような感じでした。土曜日くらいには、完全に復活しましたが、、、全く、参りました!

 

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2008年5月 5日 (月)

シンコ デ マイヨ

ゴールデンウイーク、皆さん、如何お過ごしでしょうか?サルシータのある広尾界隈は、住民の方達はバケーションでどこかに行かれて、静かかな?と思いきや、けっこう人が出ていて、予想に反して?お店もそれなりに忙しいです。

 今日は五月五日、子供の日ですね。そして、この日はアメリカのカリフォルニアでは、「シンコ デ マイヨ」(スペイン語で五月五日の意味)と言って、メキシコ系の住民達が、普通のアメリカ人達も巻き込んで、盛大にお祝いする日でもあります。

 あちらでは、一年の中で一番の大きなメキシコ系のお祭りなので、多くの人が、この日がメキシコの独立記念日だと思っているのではないでしょうか?でも、そうではなくて、この日は、19世紀中頃、侵略して来た六千人のフランス軍を、サラゴサ将軍に率いられた僅か二千人余りのメキシコ軍がプエブラ郊外で撃破した、メキシコ史上最大の軍事的成功の記念日なのです。(意地悪い本には、フランス軍の大半が下痢で苦しんでいたとか書かれていますが、、、)

 そして、何故、カリフォルニアのメキシコ人達が、9月15日の独立記念日よりも、この日を盛大に祝うのかというと、カリフォルニアという土地が、メキシコが独立を果たした後、アメリカとの戦争に敗れてメキシコからアメリカに奪われた土地だから、独立記念日を素直に祝えないという背景があるようです。だから、メキシコが外国の侵略勢力を撥ね退けたこの日を、メキシコ人の誇りを鼓舞する日として代わりに祝うようです。もっとも、この五月五日の戦いの後、盛り返したフランス軍に結局は破られて、メキシコシティまで占領されて、その後何年か、フランスに統治されることになってしまうのですが、、、

 というわけで、アメリカでは大きなお祭りの日なんですが、メキシコ本国ではこの日は忘れられているのか、とても静かなんですね。サラゴサ将軍の名前は、確か、地下鉄の駅の名前になって残っていますが。

 

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2008年4月10日 (木)

買物三昧

 ご無沙汰しました。リニューアル後、なるべく煩雑に更新を心がけようと思っていたのですが、朝から晩まで殆ど休み無しで働いて帰宅した後、パソコンに向かう気力が尽きてしまいました。やはり、年ですかね。

 先週末は、おかげさまでたくさんのお客さんに来て頂き,とても、有り難かったです。やはり、自分の店が沢山のお客さんで一杯になり、皆さんそれぞれ楽しそうに過ごされているのを見ることは、とても嬉しいものですね。10年以上お付き合いのお客さんの誕生日パーティーもあったりして、特別にケーキを焼かせてもらいましたが、楽しんでもらえたようで良かったです。このために、激務をこなしているようなものですから、、、

 月曜日は久々の定休日。誰も居ないお店に、朝、出かけて、経理関係の雑務をこなした後、カウンターに座って静かな店内をぐるりと見回してみました。なんとなく、やっと、最近、店に親近感を感じれるようになってきたかな?と思います。オープンして8ヶ月くらい経ちましたが、今までは、なんか浮き足立っていたせいか、自分の店なのに、他人行儀のような感じがなんとなくしていたので。

 お昼くらいから、浅草の合羽橋道具屋街に出かけました。恵比寿の店のオープン時から使っている鍋類が、さすがに使い過ぎで、ガタガタになっていたので、買い換えるのが目的です。ここに来ると、沢山の調理道具を売っているお店があるので、いつも、あちこち見ているうちに、あっという間に時間が経ってしまいます。今回、どうしても欲しかったのは、ステンレス製の大きな鍋。ランチで日替わりのスープを出しているのですが、今から、暖かくなってくると、ズッキーニやブロッコリーなどの旬の野菜のポタージュを沢山出したいと思っていてたのですが、今、キッチンで多用している業務用のアルミ鍋だと金気を嫌うので、色がすぐ濁ってしまうのです。熱伝導が良くて、軽くて扱い易い、しかも安価なアルミの鍋は人気が高くいのですが、ここは、とても重くて扱いづらく、値段も張るけどステンレスの鍋を購入しました。お陰で、腕が鍛えられそうです。

 そのほかにも、あれやこれやとキッチンの小物を買っていると、あっという間に時間が経ち、夕方の店じまいの時間になりました。店に帰ってからも、今度は、アスクルのカタログから、テイクアウト用の容器などを注文しました。このカタログが曲者で、見ているといろいろ欲しいものが出てきます。気が付くと、もう9時くらい。休みの日くらい、家に早く帰って、小さな二人の娘を風呂に入れてあげたいと思っているのですが、かなわず、残念でした。奥さんには、育児を任せ放しで、苦労をかけています。 申し訳ない気持ちで一杯なのですが、言ってみれば、オープンして8ヶ月のお店は赤ちゃんのようなものなので、こちらも、まだ、大変なケアが必要なのです。

 もう遅くなってしまいました。今、午前、3時。明日、というか、今日は早朝から築地に仕入れに行かなければなりません。今日はこのくらいにしておきます。お休みなさい。

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2008年4月 3日 (木)

ある料理人のブログ

 今年度からブログをリニューアルして、専門の?ラテンアメリカねただけでなく、何の変わり映えの無い日々でも、日常の暮らしの中で感じたことを何でも書いていこうと思ったのは、あるフランス料理の料理人の方のブログを偶然、目にして素直にとても共感したからでした。

 実はこの方のお店には、昔、まだ中目黒でお店をされていた頃、一度お邪魔したことがあります。当時は、他のシェフと共同でしたけど、「シェフシリーズ」というレシピや料理に対する姿勢を書かれた本を出されていたりして、けっこう注目を浴びる存在の方だったと思います。(勿論、今でもフレンチの世界では有名な方なんでしょうけど)オープンキッチンのカウンターに座りましたが、部下の方が何人も居られて、シェフの厳しい視線でキッチンの中は張り詰めた空気が漂っていました。料理は盛り付けも美しくとても美味しかったです。帰るときは、シェフ自らドアを開けて見送ってくださり、恐縮しました。

 その方が、いろいろあったようで、今、ぼくの自宅の近くにお店を移転されて日々悩みながらも料理に打ち込んでらっしゃるのを知って、ぼくなどは料理人としては足元にも及びませんが、とても共感するものがあったのです。

実は、昨日の日記などは、その方、釜谷シェフの日記の真似みたいになっていますね。我ながら、影響されやすい性格だと笑ってしまいます。

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2008年4月 2日 (水)

桜パーティ

Rimg0454

この前のお休みは、生憎、朝から雨でしたが、上の娘、泉のかねてからの要望通り、「桜パーティ」(彼女のネーミングで)をしました。

といっても、そんな大袈裟なことは無くて、「家族4人で、朝はサンドイッチ、昼は公園でお弁当、夜はちらし寿司を食べる。」という、食い意地だけのようなパーティ?でしたけど。自分でイラスト入りのプログラムや招待状を書いてぼくが作業しているパソコンのところに置いていたりして、とても楽しみにしていたので、休日も、いろいろと用事があって家に居ないことが多いのですが、この日は、家族とゆっくり過ごしました。娘のリクエスト通りに朝から三食ご馳走を作ってくれた奥さんには感謝です。

夕方になって、少しお天気が良くなったので近くの野沢公園に花見に出かけました。曇り空の下の桜もそんなに悪くないですね。ただ、楽しみにしている「お母さんと一緒」が始まりそうだったので、そんなに長居をせずに早々に引き上げてしまったのですけど、、、

また明日から頑張ります!

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2008年3月22日 (土)

メキシコ写真展?

Rimg0449 長らく更新をサボっていて申し訳ありません。

久々の書き込みです。

お店のキッチンの横の壁に、今まで撮り溜めていたメキシコの写真を数点展示しました。決して上手い写真ではないですが、お手洗いに行く途中なんかに、足を停めて見て頂けたらなあと思います。メキシコの雰囲気が少しでも伝わると嬉しいです。

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2007年10月25日 (木)

ベンチ作りました!

Rimg0403 お久し振りです。

新店舗の運営に日々追われまくりで、なかなか更新できませんでした。すみません。

さて、恵比寿の時からウエイティングのお客さん用に使っていた、メキシコで買ったベンチが、長年の使用でついに朽ち果ててしまったので、今回、手作りで新調しました。鉄のフレームはまだ使えたので、木の板を嵌めて、メキシコのタイルを買ってきて貼り付けました。ちゃんと、店名の"SALSITA"も入っていますよ。

ぜひ、座り心地?を確かめに来てください!

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2007年7月25日 (水)

また、やられた!

Nada me ha enseñado los años, siempre caigo en los mismos errores. (年月は何も教えてくれなかった。いつも同じ失敗を犯してしまう。) 

Jose Alfredo Jimenes "En el ultimo trago" ホセ・アルフレッド・ヒメネス 「最後の杯」より

 2ヶ月以上前にメキシコから送った荷物、予定より1ヶ月以上遅れて、やっと届いたと思ったら、、、半分くらい積み忘れているらしい!

 メキシコ人とは、随分長く付き合っているけど、いつも泣かされます。メキシコが好きだし、メキシコの人達は良い人達だけど、ビジネスは難しいなあ。

 すいません! 広尾店オープン、またちょっとおくれそうです。(涙)

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2007年7月23日 (月)

出来てきた!

Rimg0304 サルシータの広尾店、だいぶ出来てきました。工事は、ほぼ今日で終りました。後は、メニューをもう少し煮詰めて細々とした足りない物を買って、新人のトレーニングをして、おっと、まだまだ、けっこうありますね。

今、暫くお待ち下さい。

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2007年7月21日 (土)

Barco que mandan muchos pilotos, pronto va a pique.

船頭多くして、船、山に登る。

こんな風にならないようにしないと、、、

連日連夜、新店舗の準備で大忙し。今更ながら、お店を始めるのは大変だなあ。」と痛感しています。

バックグラウンドがそれぞれ異なる、ぼくを含めると4人の料理人が、メニューについて喧々諤々意見を戦わせています。皆、メキシコ料理について、思い入れが深いぶん、主張も強くて、まとめるのが、大変。

 新生サルシータスタートまで、今しばらくお待ち下さい。

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2007年7月15日 (日)

Se terminó primero capitulo de SALSITA.ーサルシータ第一章終わる。ー

 約8年間のご愛顧ありがとうございました。サルシータの恵比寿店は、昨晩を以って営業を終了いたしました。

 最終週は、不思議なことに、最近姿を見なかった昔の常連さん達が、多数来店されました。決して、今週が最後だなんて知っていたからではなく、たまたま、です。虫の知らせでしょうか?こんなことがあるんですね。

 当然、最後だと知って来店された方達もたくさんいらっしゃったので、ファイナルウイークは史上最高の賑わいになりました。僕達や皆さんの思い出がたくさん詰まったこのお店が無くなるのは悲しいけれど、こういう形で最後を迎えられたのは幸せなことでした。

 最終日まで、相も変わらず、オーダーに追い立てられながら、ひたすら料理を作る、という、全く余裕の無い仕事ぶりでしたが、何とか、やり終えました。最後に、カウンターに残ってくれた、昔からの仲間とシャンパンで乾杯をして、暫し、自分もカウンターに座ってお客さん気分を味わうことも出来て感無量でした。

 今からはサルシータ第二章に向けて、取り組んで行きます。今度のお店は、テーブル席もぐんと増えるので、今まで難しかった団体のお客さんにも、対応できますし、禁煙席も設けて、家族連れのお客さんにも利用し易くなると思います。

 メキシコ料理の経験がある料理人も3人雇いましたから、料理の幅もぐんと広がるでしょう。彼等と共に自分も成長したいし、彼等にもサルシータで経験を積んで、将来は自分達の店を持ってもらいたい。そうして、この国で美味しいメキシコ料理の輪が広がって、もっともっと認知されることを願っています。

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2007年6月22日 (金)

商売熱心?

 先日、あるメキシコ通のお客さんとお話をしていて、話題が、最近、アメリカの大手酒販会社に買収された、ある有名なテキーラのメーカーの話になりました。

 彼によると、アメリカの大きな会社の傘下に入ったことで、そのテキーラは世界的なプロモーションがかけられて、もっと売れて有名になるだろう、ということでした。言われてみれば、メキシコ人は、良くも悪くも、そんなに欲が無いところがあって、大金を投じて大々的な営業活動をする、ということはあまりしないような気がします。そして、実は、世界的に売れている大きなテキーラメーカーは、じつはアメリカの資本が入っていることが多いのです。

 ぼくの感想は、どうせ、買われるのなら、同じ業種の会社で良かったな、というものでした。サッポロビールのように、何の関係もない投資会社に、ただ単に金儲けのためだけに買収されそうになるよりは、よっぽどマシだなあと。

 アメリカ人というのは、グローバリゼーションの旗振り役だけあって、商売熱心ですね。ちなみに、ぼくは、ビジネスという英語は”商売”と訳しています。それに対して、メキシコ人及びラテンアメリカ人は、そんなにビジネスが得意でないようです。

 しかし、ビジネス(商売)に対して貪欲である、ということは、そんなに良いことなのでしょうか?そんなことを考えたのは、最近、渋谷で起こった温泉施設の爆発のニュースを耳にしたからです。あの施設の運営会社は、オフィスにコーヒーを卸している会社らしいですが、そこの社長がやり手で、本業以外に、あの温泉施設をやったり、沖縄でリゾート開発をしたりもしているらしいです。

 都会で、温泉施設をやれば儲かりそうだ、とビジネス感覚鋭い?人達が他の業種から参入して、利益を追求するあまり安全面の対策を下請けの会社にまかせっきりにした結果、あんな悲惨な事故を起こしてしまいました。

 ぼくらの飲食の世界も、よそから見ると儲かりそうに見えるのか、他の業種の大きな会社が、よく参入してきますが、上手くいかないことが多いです。メキシコ関係でも、アメリカで流行っているファーストフードのチェーン店を日本で展開しようとして失敗した例がありました。

 商売も結構だけど、儲かりそうだからというだけの理由で、安易に他業種に参入するのはどうかと思うのです。

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2007年5月12日 (土)

突然ですが、メキシコに行ってきます!

 皆さん、お久し振りです。先月の終りに自宅の引越しをしたのですが、ADSLの接続工事の手続きを忘れていまして、今日、ようやく、インターネットが出来るようになりました。

 実は、その間にいろいろありまして、サルシータの移転先が決まりました。今のお店の2.5倍くらいの面積があるので、これまでのように、多くのお客さんを断ることが無くなるかなと思います。

 そして、新しいお店で使うお皿やグラスなどを調達するために、明後日にメキシコに飛ぶことになりました。帰ってきたら、その模様をお知らせしますね。

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2007年3月29日 (木)

La vida es fragil

 10年来の付き合いで、お客としてもよくお店に来てくれていた友人の訃報が届いて、今、お通夜に行って来ました。突然のことで、なかなか信じられず、半信半疑の気持ちで行きましたが、葬儀場の前に彼女の名前が大きく書かれてあった案内を見た途端、実感が湧いてきて涙が出そうになりました。喪服で集まっている人達の中に、あちらこちら見覚えのある顔が、、、思えば開店してすぐで閑な頃、彼女がいろんな友達を誘って毎月のように来店してくれたのでした。経営が苦しかった時に、どんなに助かったことか。こんな優しい人達のお陰であの店も続けてこれたのだな。泣くまいと思っていたけど、彼女のお母さんに挨拶したときに、涙が出てきました。自分も子の親だから思うのだけれど、自分の子供に先立たれることの悲しみが想像出来たから。

 家路に着くときに、頭の中で鳴っていたのは、メキシコのロックバンド「エル トリ」の歌の一節です。

"La carne es debil  La vida es fragil  y en un instante se puede acabar"(肉体は脆い。 命は儚い。 たった一瞬で終わってしまうこともある。)

 剣道や空手をやっていて健康そうだった彼女が、こんなにあっけなく逝ってしまうなんて。この歌の作者のアレックス・ロラの言葉を今一度思い出しました。「人の命なんて儚いもんだ。だから、神が与えてくれたこの生きていられる時間は大切にしないといけないんだ。」

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2007年2月18日 (日)

細部に神が宿る

 ふと思ったのですが、この前、書いたようなメキシコ料理に関するマスコミの誤った紹介の仕方なんか、僕が過剰反応してしまっただけで、大多数の人たちにとっては、きっと、どうでも良いことなんですよね。あの一件以外にも、「5月5日はメキシコの独立記念日」とか、「チリパウダーはメキシコ料理に欠かせない調味料」、はたまた、「ジェニファー・ロペスと言えばメキシコ」だとか、誤解だらけの情報がラジオで飛び交っていたのですが、そんな事も殆どの人にはどうでも良いことでしょう。雑誌やテレビのメキシコ料理に関する特集なんかでも、必ずといって良いほど、どこかに些細な間違いが発見されるものですが、目くじらをたてるほどのことは無いのでしょう。

 ただ、どんなに素晴らしいものであっても、たった一つの欠陥で、印象ががくっと崩れることはありませんか?以前、作家の伊集院静さんがスペインを旅して、ゴヤ、ベラスケス、エル グレコ、ミロ、ダリなどの彼の地が生んだ偉大な画家達の作品について語るという本を読んだ時に、その本そのものは素晴らしい内容だったにも関わらず、「セビリアの名物料理の仔豚の丸焼き」という何気ない一つの記述で、スペインへの思い入れが強い僕としては、それは、セビリアではなく、セゴビアでしょう!と一気に醒めてしまったことがあります。それは、まるで、豪華なシャンデリアとふかふかの絨毯の豪華なフランス料理のレストランの何万円もする完璧なコース料理の途中で、何故か付け合せに冷凍もののジャガイモが出て来てしまったような感じです。(そんな店、行ったことありませんが)

 自戒を込めて言うなら「細部に神が宿る」とはこういうことではないでしょうか?どんなに頑張って作っても、ほんの小さなほころびで全体の印象が変わってしまうことがある。ものを作る人間というのは、常に細部にまで気を配っていかないといけないんですね。

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2007年2月16日 (金)

メキシコ料理を作る機械

業田良家さんの漫画って面白いよねー。

 先日、ある雑誌に出ていた4コマ漫画で、女性を「子供を生む機械」と言ってしまった柳沢厚生労働大臣に対して、きいきいと口喧しく文句を言っている野党の女性議員を「文句を言う機械」、抗議と称して国会の審議をボイコットした小沢民主党党首を「議会操作の機械」、この失言が参院選挙に及ぼす影響ばかりを心配している自民党の参院のドン、青木議員を「得票率を心配する機械」と揶揄していました。

 そんな失言なんかさっさと一刀両断にして、自分達の考える効果的な少子化対策案を示し、「自分達ならこうします」とアピールすれば、国民も今度はこっちに投票しようか、と思うだろうに、文句を言うだけで具体的な対案も示さず、税金で運営している国会の重要な審議をサボることでしか存在感を示せないようじゃ情けないよ、と彼は言いたいんでしょうね。そして、最後に「そして、オレはそれを漫画にする機械」と自分を落として笑わせるなんて、上手いね、どうにも。

 ところで、最近の僕はまるで「メキシコ料理を作る機械」です。お客さんがたくさん来てくれることは嬉しいのですが、何故か、示し合わせたかのように、皆さん、一度にどどーんと来店されるのですよね。作り置き一切無しで、全てオーダーが入ってから作り出すガチンコスタイルでやっているので、満席のお客さんから一度にオーダーが入ってくると、頭の中が真っ白になりそうになるのですが、そういう時は自分自身に「オレは今、メキシコ料理を作る機械だ。」と言い聞かせて雑念を振り払い、一心不乱に、ただ料理を作ることに集中することにしています。なかなか、自分達の料理が来ないな、と不安そうに料理を作る手もとを見ているお客さんがいると、申し訳ないな、と思うのですが、そんな気持ちも「機械だから」と振り払っています(笑)。そんな時は、かなり無愛想に見えてるんでしょうね。御免なさい。

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2007年2月 6日 (火)

生きていくことは汚れていくことだ。

 とても、ネガティブなタイトルで申し訳ありません(笑)。

 実は、この言葉は大昔、確か、10代の頃に読んだ吉行淳之介さんのエッセイに書かれていた言葉で、当時、強い違和感というか反感を覚えたのを覚えています。しかし、42才のおじさんになった僕は、そうだな、と納得してしまうのです。

 10代の頃の僕は、サリンジャーなんかを愛読していました。当時、筒井康隆さんが、「サリンジャーの小説を読むことは、我々大人にとって、汚れた垢を落とすようなものだ。」みたいなことを書いていて、「大人って汚れているんだな。」なんて思っていましたが(笑)、今になってみると、42才の自分がサリンジャーの小説を読んで、あの頃の気持ちに戻れるのか、甚だ疑問です。実家には、まだあるのかなあ?「ライ麦畑でつかまえて」とか「若者たち」とか、、、

 そういえば、その頃、開高健さんが、ウイスキーで酔っ払いながら、「戦争は絶対無くならない。人間に闘争心がある限りは。」なんてテレビで言っていたのを見て、「これだから、大人はダメだ。」なんて思っていましたが(笑)、今となっては、彼の気持ちに近いかもしれません。闘争心だけが原因とは思いませんが、、、

以上が、42才になった今年の誕生日になんとなく考えたことです。

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2007年2月 4日 (日)

¡Cumpleaños a mí!

 昨晩は、10名様くらい断って席を空けていたのに、遅い時間の予約のお客が現れず、頭がカリカリしてしまいました。たまにこんなことがあるんですよ。ひどいことに。

 それで、気を休めようと思ってブラジルの歌手シモーネがラテンの名曲を歌ったCDをかけて聴いていたら、完全に酔わされてしまって後片付けの手が長いこと止まってしまいました。彼女はブラジルの人ですが、少なくとも、僕にとっては、スペイン語のボレロの誰よりも素晴らしい唄い手です。例えば超が付くほどのラテンのスタンダード「べサメ ムーチョ」数え切れないほどの歌手が歌っていますが、僕にとってはシモーネのがベスト、というか、彼女のバージョンを聴くまで、この歌はそんなに良いとは思えなかったんですよ。アルマンド マンサネーロの曲の数々にしても、こんなに甘く切なく歌う人は他にはいないんじゃないかな。

そんなこんなしていたら、日付が替わって、42才の誕生日になりました。もう立派なおっさんです。ここ10年くらいは誕生日のことは、なるべく考えないようにしてスルーして来ましたが、今年は、何故かいろいろ自分に付いて考えてしまっています。これも、ブログを始めたせいでしょうか。「書くことは考えること」と言いますからね。

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2007年2月 2日 (金)

気が付けば頑固親父

 最近は、ブログに、行って来たお店の感想などを書く人が増えていて、英語で言うところの"ホール オン ザ ウオール"(壁の穴)と言う表現がぴったりなほどのちっぽけな店の我がサルシータでさえも、あちこちで取り上げてもらっているようです。

 それで気付いたのですが、うちは料理やインテリアなどは、おおむね良い評判を頂いているようですが、店主は愛想が無いと感じている方もけっこういらっしゃるようですね。

 この点に関しては、ちょっと反省しないといけないかな、と思っています。でも、営業中は、なかなか余裕が無いんですよね。一人で全員のお客さんの料理を作っているので、とにかく、待たせないように早く料理を出さなきゃ、というので頭が一杯になっているのです。週末なんかは、席が空くのを待っているお客さんがけっこういたりするので、なおのことです。そして、そんなに忙しくないように見える時にしても、ぼくらの仕事は、喩えるなら、湖を優雅に泳いでるようで水面下では足をバタバタ全力で動かしている白鳥みたいなもので、常に次のオーダーに向けてしないといけないことがたくさんあるのです。

 あと、あまり過剰なサービスが個人的に好きではない、というのもあります。よく、飲食店のサービス指南みたいな本に、「お料理は如何でしたか?」とか「追加のお飲み物は如何ですか?」などと積極的にお客さんに話しかけるように、などと書いてありますが、ぼくは、ほおっておかれるほうがお客さんにとって良いサービスなんじゃないかな、と思うのです。だって、この料理今一つだな、思っている時に、何の悪意も持っていないような顔でにこやかに笑いかけてくる店員に「お料理はお口に合いましたか?」と訊かれたら困りませんか?ぼくのような小心者だったら、無理に笑顔を作って「はい。」と答えてしまうでしょうが、心の中に何か割り切れないものが残ると思うんですよね。

 なーんてこんなことを考えてしまうのも自分が頑固オヤジになっているからでしょうね。思えば、自分が若い頃、愛想の悪い先輩達を見て「なんでこんなに頑固なんだろう?」なんて思っていましたが、まさに今、自分がそうなっているということでしょうか。

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2007年1月24日 (水)

あるある大辞典

 いま、人気TV番組「あるある大辞典」のデータ捏造問題が世間を賑わせていますね。

 それで、思い出したのですが、数年前にあの番組にアボカドが取り上げられたことがあって、それ以降、アボカドの売上げがぐんと上がったと市場のおじさんが言ってました。アボカドが、健康に良いというのは、捏造でなく真実であって欲しいと願うばかりです(笑)。

 ところで、ぼくも、数回、テレビの取材を受けたことがありますが、その度に思うのは、いつも「初めから結論ありき」だな、ということです。つまり、取材で分かったことを基に番組を作っていくのではなく、初めにこういう流れでこういう結論にしようというのが決められていて、それに沿うように番組が構成されていく、という感じですかね。だから、実際に取材の時に、いろいろなことを喋っても、流されるのはその番組にとって都合の良いほんの一部分だけなんですよね。現場に来るのは、下請けの製作会社の人たちで、とにかくテレビ会社が求めている(視聴率が上がる)ようなものを作ろう、という感じでした。

 そんな風に番組が作られているのだから、今回の事件もあまり驚かないですね。

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2007年1月16日 (火)

愛国心 続き

 そう言えば、昨日書き忘れたのですが、ある雑誌で作家の福井晴敏さんが、こんなことを言っていました。「愛国教育は必要無い。その代わり、小学生レベルから戦争教育を行って、国際政治のリアリズム、世界ではどんな残酷なことが起きているのかを徹底的に教えれば、それで良い。」

 さすが、鋭いですね。確かにそうすれば、世界の中でいかに自分達日本人が恵まれているかに、気付くだろうし、こんな恵まれた国を他の無法な国から護るにはどうすれば良いかを、嫌でも真剣に考えざるを得なくなるだろうな、と思いました。ただ、小学校からというのは、ちょっと早過ぎるような気もしますが、、、というか、その前に大人からか、、、

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2007年1月15日 (月)

愛国心

 安部政権が目指している教育基本法の改正で、児童に愛国心を植え付けることを目標の一つにしていますが、そう言えば日本人は他の国に比べて愛国心が希薄だなと思います。そう言う僕自身、愛国心と言われると、ちょっと身構えてしまう、というか素直に受け取れないところがあるのですが、これは先の戦争の時に若者達を戦場に駆り立てる戦意高揚ために日の丸が使われ過ぎたことに対する反動や、日米安保条約の下に他の国に守ってもらっている、自立していない国だからということに起因していると思います。

 しかし、海外で暮らしていて思ったのは、自分の国を愛していない人はいない、いたとしても、そういう人は他の人から相手にされない、ということです。例えば、それぞれ違う国から来た3,4名のグループとかで話をしていたとして、どうしても自分は日本人だということが他の人からは前提になる、つまり日本代表のような目で見られているわけで、そんなときに自国を愛していない、などというと、その場がとてもしらけてしまうんですよね。

 その点、メキシコをはじめとするラテンアメリカの人たちは(自分の国がどんな状態であろうと)屈託無く愛国心を表明していて羨ましく思えました。これは、やはりカトリックの国という側面が大きいと思います。何故かというと、カトリックは家族を大事にするからです。家族というのは、人にとって最小の社会(コミュニティ)なわけで、そこから派生する父、母、兄弟への愛が、彼等の関わる知人への愛へと広がり、そのコミュニティの輪が学校、会社、町、市、県、国と広がっていくと自然に愛国心へと繋がるからです。

 その点、アメリカ合衆国の場合は、確かに愛国心はすごくあるのだけれど、移民の国だからでしょうが、常にアメリカは自由と平等の素晴らしい国だということを、政府が事あるごとに言っていて、上から押し付けている、教育という面でも小さな時から摺りこまれているな、という感じを受けました。

今の安部さんのやり方は、アメリカ合衆国に近いですよね。「美しい国」を愛せ、と教育で教えようというような(彼の内閣からは美しくない醜聞が次々と出ていますが)。しかしどちらかというと、ラテンの国のような自然発生的な愛国心の持ち方がやはり理想ではないでしょうか?「愛国心を持て」と上から言うよりも、家族を大切にするということをいろいろなところで訴えていけば、それが自然に愛国心を持つということになると思いますよ。

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2007年1月10日 (水)

La salud de uno es mas importante de todo

つまり、健康が一番大切だということです。この言葉はサルシータがオープンして間もなくの頃、風邪気味で調子悪いなあ、と言いながら働いていた時に、当時一緒に働いていたコロンビア人の女の子に言われたものです。その時は、まだ、お店も不安定で、ただ、しゃかりきに頑張るしかない、という時期で、そんな言葉もハイハイと、軽く聞き流していたのですが、最近になって、本当にそうだな、と思うようになりました。

 なんせ、僕らの仕事は体が資本ですから、でもその割りに長時間の肉体労働で体を酷使しているんで、長く続けるためには健康に気を遣わないといけないな、と思う今日この頃です。働けなくなったら、次の日から収入無しですからね。朝から深夜まで働いた後に夜の街に遊びに行っていた20代の頃の体力は既に無いし。

 思えば、ぼくもあの小説「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか」の主人公、人生に絶望してニューヨークで自殺を図った、薄毛の冴えない中年の調理師タカハシさんの年齢に近くなっているんですよね。メキシコ料理を食べているお陰か、髪は薄くなっていないし、彼のように、まだ女房子供に見捨てられていないけど、ぼくもニューヨークでのレストランで働いていたからか、彼には妙に親近感を覚えてしまいました。

 今年もメキシコ料理を食べて健康に過ごすぞ!

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2006年12月11日 (月)

超・格差社会

 日曜日の朝5時から、J-WAVEで、中学校の一年先輩のモーリー・ロバートソンさんが、世の中のいろいろな動きについて縦横無尽に喋っている番組がある。時間が時間だけに、なかなか聴けないけど、モーリーさんはとても博識な方で鋭い分析をするので、起きていたら必ず聴くようにしている。

 先週の土曜日は、とても忙しくて、仕事が終わったら深夜の3時半。家に帰って風呂に入って、夜食を食べて、ぼーっとしてたら5時になったので、ラジオをつけた。この日、モーリーさんは、先週半ば頃に発表された、「世界の人口の1パーセントが世界の資産の4割を保有している。」という、ある北欧の国の機関がまとめた調査結果について話していた。

 この調査については、ぼくも新聞で読んで知っていたけど、特に驚きもしなかった。世界のいろいろな国のいろいろな場所に行ったので、そういうひどい貧富の差というのは、既に実感済みだったので。それから、彼は、世界にさまざまな紛争が起こる原因として、宗教とかテロとかを挙げへつらう人達がいるが、一番の根源的な原因は、この恐ろしい貧富の格差なのではないかと続け、これは、ぼくが常日頃から考えていたことだったので、「さすが、モーリー先輩、わかってるなあ。」と思いました。

 続きがもっと聴きたかったのだけど、眠くなってしまい、何かの曲がかかっている間に眠りに落ちてしまいました。曲なんか、かけないでずーっと喋ってくれたら寝ないのに、FM放送だからそういうわけにはいかないんでしょうね。途切れ途切れの記憶にあるのは、先輩が、中南米の国々における貧富の差の話をしていて、ブラジル映画「シティ オブ ゴッド」について話していたこと。実話を基にした、ブラジルのリオのスラム街での少年ギャング達の抗争の話だったけど、恐い映画でしたね。

 実は日曜は体調が優れなくて、ずっと布団の中にいたんですけど、そうすると、寝る前に聴いた、この超・格差社会のことについて、感じていた、いろいろなことが白昼夢のようにフラッシュバックしてきました。

 ぼくが、半年に渡る南米旅行を終えて、ニューヨークの寿司バーで働いていたときに、リオのカンデラリア教会の前で10名くらいの子供達が身元を隠した警察隊に銃殺される、という事件がありました。子供達は、親から見捨てられたストリートチルドレンで、この教会のそばで共同生活をおくっていたのでした。真相は、明らかにされませんでしたが、麻薬や犯罪の温床となるのを恐れた人達が金を払って警察に”掃除”させたという噂がたちました。数年後、リオの市バスを1人の麻薬中毒の若者が乗っ取り、乗客を人質に籠城して、結局、警察に鎮圧されましたが、1人が犠牲になり、犯人も殺されるという事件がありました。事件の模様をあらゆるメディアが実況中継するという、劇場型犯罪になったこの事件を追ったドキュメンタリー映画を見ましたが、シングルマザーの家庭で育ったこの犯人は、子供の頃、母親が強盗に殺されてストリートチルドレンの仲間に入り、あのカンデラリア教会の事件の時には現場に居合わせたが、運良く逃げることが出来たのでした。

 日本では、通りで物乞いをしたりする子供は居ませんが、ブラジルに限らず、ラテンアメリカの国々には、こういうストリートチルドレンたちはたくさん居ます。彼等のことを、その映画に出ていた、ある社会学者は「透明な存在」と言っていました。子供が学校にも行かずに、通りで物乞いをしたりするのは、本当は異様な光景なんだけど、それが余りにも日常的になってしまった結果、見えていても、見えていないように、無視されてしまう「透明」な存在だ、ということです。それが、ああいう事件が起きると、皆、それに注目しざるを得ないようになる。だから、彼等は彼等の存在を認めさせるために、突発的にああいう事件を起こす、と。

 先進国にも、格差は広がっています。最近、「超・格差社会 アメリカの真実」という本が出ていましたが、昔、見た、ある異様な光景を思い出しました。ある晴れた日の朝のニューヨーク、マンハッタン、割と富裕層が住むアッパーウエストサイドから、もっとリッチな人達がいるイーストサイドに向かうバスを待つために列を作っている、10数人の上品な服を着て立派な鞄を持った人達。その歩道とビルの間に、一段低くなっている隙間があって、そこでは段ボールの家から起き出した数人の黒人男性が上半身裸で虚ろな目をして立っていました。その風景が異常に見えないという異常さ。バスを待っている人達にとって、あのホームレスの男達はきっと「透明な存在」だったのでしょう。

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2006年12月 7日 (木)

宝くじ

 いつも通る買い物ルートにみずほ銀行があって、今日、通りかかったら、年末ジャンボ宝くじを何人かの行員が大声を張り上げて売っていた。

 ぼくは、宝くじなんか、買ったこともないし、これからも、多分、買わないだろう。あまり、自分には、くじ運が無いというのを分かっているので。それと、昔、アメリカで行っていた学校のリーディングの教材で、宝くじの売上のうち、賞金に廻されるのは、たったの半分強だ、くじを買うのは殆どが低所得者層なので、これは、言ってみれば、貧乏人へのもう一つの課税のようなものだ、という内容の記事を読んで、すっかり興醒めしました。

 もちろん、その記事は、アメリカの宝くじの話で、日本にも当てはまるとは限りませんが、まあ、大差ないんじゃないかと思っています。博打は胴元が一番儲かると言いますが、貧乏人が必死で稼いだ金で、胴元のみずほ銀行がホクホクしてるんじゃないの?だから、売り込みにも力が入るんだろうな。

 宝くじで、思い出すのが、スペインの街角で、くじを売っていた目の不自由なおじさんたちのやる気なさそうな声。あの独裁者、フランコ将軍が全盲の人に就職の機会を与えようと彼等に宝くじ売りの仕事を斡旋したので、スペインの宝くじ売りは盲目の人ばかりでした。"¡Compra loteria! ¡Toca gordo!"(宝くじを買いな!大きいのがあたるよ!)とか怒鳴っていたけど、一本調子であまり商売気が感じられなかったなあ。でもあれくらいがちょうど良い気がします。

 そんな調子のスペインの宝くじだったけど、やっぱり儲かるみたいで、トゥール・ド・フランスに出ていた自転車チームのスポンサーにもなっていました。ピンク色に"ONCE"(ORGANIZACION NACIONAL DE CIEGOS ESPAÑOLES:スペイン盲目者協会)と書かれたジャージを着ていて、けっこう強かったです。盲目の人達の団体が視力の良さが要求されるレースのチームを持っている、というところにスペインらしいシュールさを感じたのを覚えています。さすが、ダリやブニュエルの国ですね。

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2006年11月15日 (水)

虐めと自殺

 この頃、何かと世間を賑わせている中高生の虐めと自殺の問題。子供を持つ親としては、気になります。

 よく言われているように、復讐のための自殺を助長するようなメディアの取り上げ方も良くないと思いますが、資本主義の世の中、しょせん、大きなメディアは、大衆の最も求めている情報を垂れ流しているに過ぎない、ということは、そんなメディアにしてしまったのも我々一般市民の責任でもあるとも言えると思います。

  しかし、よく考えてみれば、一年に3万人以上の自殺者があるという日本、計算すると、一日に100人近い自殺があるわけで、今、問題になっている若者の自殺の数も、そう考えると、決して突出して多いわけではない、むしろ、中高年の自殺のほうが圧倒的に多いという恐ろしい現実があります。

 そこで思い出したのですが、メキシコという国は自殺する人の割合が、世界で最も低いらしいです。その理由は、ぼくが推察するに、彼等の自己肯定の精神にあると思います。メキシコの人がよく口にする言葉で、”Esto es mi forma de ser"というのがあって、要は「私はこういう人間なの(文句ある?)」と言っているのですが、そういう自分を肯定してしまう精神が、今の日本人にも必要なんではないでしょうか?

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2006年11月 1日 (水)

ガイコツに取り憑かれた娘

 4才の長女が、最近、ガイコツの話ばかりしている。メキシコの「死者の日」が近いからではなくて、幼稚園へ行く通り道にヘンなホルモン屋が出来てそこの店頭に通行人の注目を引くためか、大きな動くガイコツの人形が置いてあるからだ。そこの近くを通るたびに、とても恐がっていて、とうとう夢にも出てきたそうだ。でも夢に出てきたガイコツはミッキーマウスの可愛いガイコツだったらしい(笑)。この前の日曜日も、朝からガイコツの話をしていたので、下の娘(1才)が絵本と間違えて引っ張り出していた水木しげるさんのメキシコ旅行記の中にある表情豊かに笑っているメキシコのガイコツを見せてやると、恐がるどころか、面白いと言って、折り紙でガイコツを作ってくれとせがまれた。恐いと言いながらも、本当は興味があるんじゃないか?しょうがないから、折り紙をガイコツの形に切って、マジックでギザギザの歯と大きな目を描いた頭をくっつけてあげたら大喜びしていた。実際、メキシコにこの時期に飾ってあるガイコツたちは大きな口を開けてにたっと笑っているものが多い。しかも彼等は普通の人間のようにダンスしたり、自転車に乗ったり、求愛したりしている。こんなガイコツなら、子供も恐がることなく、楽しいと思えるのだろう。19世紀から20世紀にかけて活躍した風刺画家ホセ・グアダルーペ・ポサダがそんな明るいガイコツを大量に描いてから定着したようだ。ガイコツを明るく描くという感性はメキシコ独特のものなのだろうか。北米の映画監督ティム・バートンはそんな物の見方に刺激を受けて「コープス ブライド」という映画を撮ったという。でもこういう感性は他のラテンの国にもある気がする。昔、ボリビアのポトシという標高4000メートルのところにある鉱山を訪ねたとき、過酷な労働に従事している鉱夫たちがしばしの休憩をとる場所に愛らしい犬のような銅像があって、何かと聞くと悪魔だと言う。どうして悪魔がここに居るの?と聞くと、本当は神様に居て欲しいのだけど神様は天高くにいらっしゃるものだから、こんな地中には置けない。それで代わりに悪魔を置いているのだと言う。そんな理由で置かれている悪魔だから人の心を癒すような穏やかな表情をしていた。そして頭には供え物のコカの葉っぱが置いてあった。

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2006年10月12日 (木)

EL DIA DE LA RAZA

 今日、10月12日は514年前にクリストファー・コロンバス(クリストバル・コロン)が、アメリカ大陸に到達した記念日です。メキシコでは、この日を”EL DIA DE LA RAZA”(民族の日)と呼びます。この歴史的な出来事からヨーロッパ人のアメリカ大陸への入植が始まって、先住民との混血が進み、現在のメキシコ、或いはメキシコ人が生まれたからです。

 アメリカ合衆国では、この日(正確には、連休にするため、この日の近くの月曜日)を「コロンブス・デイ)と呼んで祝日にしています。手許にあるカレンダーの付録を見てみると、アルゼンチンでは”SPANISH DAY”、ブラジルでは”HOLY MARIA DAY”と呼んで祝日になっていました。HOLY MARIA というのは、コロンブスが乗っていた船の名前(SANTA MARIA)です。

 ところが、メキシコでは、この日は記念日ではあるけれど、祝日にはなっていません。コロンブスに続いてやって来たスペイン人のコルテスによってアステカ帝国が征服され、多くの先住民が犠牲になった、という経緯があるからでしょう。もちろん、西洋人による先住民の虐殺はメキシコ以外のアメリカ大陸のどこでも行われました。その結果、アメリカ合衆国に於いては、先住民はとても影が薄い存在になっていますし、キューバやプエルトリコなど、カリブの島では、ほぼ絶滅状態になっています。合衆国やアルゼンチンがこの日を無邪気に祝えるのは、ヨーロッパから来た”よそ者”が人口の大半を占めるからでしょう。その点、メキシコでは、50以上あると言われる先住民の文化がまだ健在で(政治的、経済的立場は弱いにしても)人口の大半が、ヨーロッパ人と先住民の混血なので、この日に対しては複雑な思いがあるのでしょう。

 

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2006年9月13日 (水)

9.11とメイン号事件

 あの衝撃的だったアメリカ合衆国の同時多発テロから5年が過ぎました。あれから、世界はどんどん悪い方に進んでいるように思われますが、今日、日頃から一目置いているカナダ人ジャーナリスト、ベンジャミン・フルフォードさんがあの事件について書いている「週刊ポスト」の記事をコンビ二で立ち読みして鳥肌が立つような思いをしました。彼によると、あの事件は、実は戦争の口実を作るためにアメリカ政府が起こした陰謀だという疑いが強い、というのです。俄かには信じ難いというか、信じたくない話ですが、色々な根拠が示されていて、無視出来ない内容でした。

 そこで思い出したのが、ちょうど1世紀前に起きた米西戦争のきっかけとなった「メイン号事件」です。当時、スペインの植民地キューバではホセ・マルティ先導による独立運動の機運が高まっていて、政情不安になっていました。そこでアメリカはキューバに住む合衆国市民の保護の名目で軍艦メイン号をキューバの港に停泊させていましたが、ある夜、この船が爆発して乗っていた300人近くのアメリカ人が死亡、これをスペイン軍の仕業と決め付けた、当時イエロージャーナリズムと呼ばれたウイリアム・ハースト系の新聞が戦意を煽り立て、戦争へ発展、アメリカはスペインに大勝し、キューバと、同じくスペインの植民地だったフィリピンを事実上自国の植民地とし、さらにどさくさに紛れてハワイまで領土にしてカリブ海から太平洋へと莫大な権益を得ました。しかし、冷静に考えてみると、戦力に劣るスペインが自分から戦争を仕掛けるようなことをするはずが無いことから、これはアメリカ政府の陰謀だったのではないかという見方が、依然、強くあります。このとき、マスコミが使ったことばが「リメンバー メイン」でしたが、そういえば、その50年ほど前にはこんなことがありました。当時メキシコの領土だったテキサスにアメリカ人が次々に入植していましたが、彼らは更なる権利を求めてテキサスのメキシコからの独立を企てました。それをサンタナ大統領率いるメキシコの大軍が鎮圧、最後はアラモの砦に立て籠もるデービッド・クロケット・ジュニア率いる200人余りのアメリカ人が玉砕しました。これをきっかけに「リメンバー アラモ」を合言葉に反撃に転じたアメリカ軍がメキシコ軍を撃破、メキシコシティーまで攻略して、その結果、テキサスからカリフォルニアへと続く広大な土地をメキシコから得ることに成功しましたが、あの時、アメリカはアラモに援軍を差し伸べることが出来たのに、そうせず、クロケット達を見殺しにしたのではないかという見方もあります。

 リメンバーといえば、更に思い出されるのは「リメンバーパールハーバー」ですが、あのときもアメリカ軍は日本が真珠湾を奇襲するという暗号を解読していたのに開戦への口実にするために敢えて何もアクションを起こさなかったという説は、事情通の間ではかなり通説になっていますよね。

9.11に付いては、日本や欧米諸国と違い、アラブの世界では初めから陰謀だという意見が多くあったようです。本当に、出来れば信じたくない話ですが、アメリカという国のこれまでの行動パターンを見てみると、(第一次世界大戦へのアメリカ参戦のきっかけとなったUボートによる客船撃沈事件、ベトナム戦争での攻勢拡大のきっかけとなったトンキン湾事件しかり)あながちデマとも言い切れません。充分に検証が必要だと思います。

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2006年9月 6日 (水)

カリフォルニアロールからグアカモレへ

 20代半ば頃、ニューヨークの日本食レストランの寿司バーで働いてお金を貯めては、バックパックを担いで世界を放浪する長い旅に出る、という生活をしていました。ニューヨークはラテンアメリカにもヨーロッパにも近い。アメリカの中で唯一、車を持たなくても生活出来るし、家具付きのアパートもあるから、短期滞在者には有り難い。レストランで朝から晩まで働いていたらお金を使うこともないのでお金が貯まりやすいんですね。そんなことで、ニューヨークには約2年半滞在して四軒のレストランで働き、休みの日も機会があれば、他の店や、パーティーのケータリングなどでせっせと働いていました。

 今は日本でメキシコ料理を作っているので、その頃と全く違ったことをやっているように見えるかもしれませんが、他の国の料理を、文化の違う人達に紹介するという意味で、けっこう似たようなことがあるのです。

 アボカドを「アボガド」と言うお客さんからは、うなぎ(アメリカでは穴子より鰻のほうが人気がある)のことを「アナーギ」とオーダーしていたお客を思い出す。料理に散らしたコリアンダーの葉っぱを一枚ずつ丁寧にどかしてから食べている人を見ると、握り寿司のネタを全部引っ剥がしてワサビを取り除いてから食べていた人を思い出す。タコスを半分に切ってくれという人がいると、握り寿司の盛り合わせの皿を付き返して、"CUT IN HALF!"全部半分に切ってくれと言った人を思い出す。モレポブラーノのソースを豚肉にかけてくれというお客さんに言われると、ウナギと納豆を一緒に巻いてくれと頼んだお客さんを思い出すのです。そういえば、向こうでは、ワサビが好きな人のために、親指大ほどのワサビをガリと一緒にお皿に置いておくのですが、それをアボカドのディップと勘違いして、それだけを一気に口に放り込んでしまい、慌ててトイレに駆け込んだ可哀そうな女の子もいましたっけ。

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