2009年11月 3日 (火)

死者の日、モレアマリーヨ、センパスチル

Amarillo さすがに東京屈指のインターナショナルな街、広尾だけあって、ハロウイーンはけっこう賑やかでした。仮装した子供さん達は多かったですね。サルシータにも、賑やかな仮装軍団が一組来て大騒ぎしていました。

 そんな、ハロウイーンが終わるとメキシコ人にとって大切な行事である「死者の日」が始まります。

この「死者の日」は亡くなった家族や先祖の霊が家に帰って来る日と信じられていて、そんな「死者」達を温かく迎えようという、先住民の死生観を強く受け継いだ風習と言われています。これは、死は魂の終わりを意味しない、むしろ、生きている間が夢を見ているに過ぎないと信じたメキシコの先住民の死者を祭る儀式を、「死が魂の終わり」と信じたキリスト教徒のスペイン人達がなんとかやめさせようとして、カトリックの「全聖人の日」(11月1日)に組み込んでしまったのが現在の形になった起源とされています。これで先住民達が死者を祭るのをやめて、キリスト教の聖人たちを代わりに祭るようになるのを期待したようですが、長い伝統を持つ彼らの風習を代えるには至らず、死者への信仰は今もメキシコでは強く残っているというわけです。

 写真は、この「死者の日」の前によくメキシコの南部オアハカ地方で食べられるという「モレアマリーヨ」(黄色いモレ)です。その由来は、死者の日に死者を祀った祭壇や家のドアに飾られるマリゴールドの花の原種、「センパスチル」の花に色が似ているからだと言わCempasuchil れています。死者の魂が迷わず家に辿り着けるように目印としてこの花を飾るらしいです。

この「モレアマリーヨ」、いわゆる有名な「オアハカの七つのモレ」の一つで、サルシータでも、先月中は何度かお昼のメニューでお出ししました。チレグアヒーヨに緑のトマトがベースで、シナモン、クローブ、クミン、アニスなどのスパイスが入る、ちょっとカレーぽい味です。入っているマッシュルームのような形のものは、「チャチョヨーテ」というとうもろこしの粉で作ったニョッキのようなものです。

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2009年10月27日 (火)

メキシカンソウルフード!

Alter_2 毎週日曜の朝に、うちの小学1年と幼稚園の娘たちが、楽しみにしているのが、テレビアニメの「プリキュア」。

 波乱万丈な成り行きに、ハラハラドキドキしながら見入っている様子が可笑しくて、彼女たちのそんな顔を僕は見入ってしまうのですが、昨朝の話でこんなのがありました。

 車で移動するドーナッツ屋さんをやっているかおるちゃんというおじさん!にヒロインの一人が相談しているところ。「かおるちゃんは、お店をやってて辛くて辞めたくなったことないの?」と聞かれた彼は、「あるよ。お客さんが全然来なかったときとかね、でもね、そんなときは、おれのドーナツ食べて喜んでくれたお客さんの笑顔を思い出すんだ。そしたら、やっぱり頑張ろうとまた思えるんだ。」と答えていました。それを見て、なかなかいいこと言うな、と思って出勤した昨日。

ランチタイムは、とても静かだったのですが、閉店ちょっと前にお客さんが5,6組どどっと駆け込んで来て、その中に中年のメキシコ人カップル2組がいました。彼らは、ソぺ、ケサディーヤ、トルティーヤスープ、エンチラーダなどのメキシコ人が大好きな定番の食べ物を次々と頼んでは、平らげ、「とても美味しい!」と大喜び、出て行ってお話を聞いてみると、彼らは上海に住んでいて、東京には旅行で来ているとのこと、久々に旨いメキシコ料理を食べたと感謝され、こちらもとても嬉しかったです。

 そしてディナータイム、10人のメキシコ人のグループがやって来て、ソぺ、フラウタ、ケサディーヤ、エンチラーダなどをたくさん注文して、すごい勢いで平らげていきます。他のスタッフと、「こんなに食べられるのかな?」と言っていたくらいの量だったのですが、楽しそうにお喋りしながら、最後に頼んだモレまですべて完食。「ゴチソウサマ!」と言って明るく帰って行きました。

改めて思いましたが、彼達は、ケサディーヤ、ソぺ、フラウタやエンチラーダ(もちろん、タコも)といったアントヒート(とうもろこしから作る生地で作る軽い食べ物)が大好きなんですね。これぞ、まさにメキシコ人にとってのソウルフード!僕は、サルシータをこういうものが確実に美味しい店にしたいと常日頃から思っていたので、こういうふうに喜んでもらえてとても嬉しかった。これこそが、かおるちゃんが言っていたことだったんですよね。

*写真は、「死者の日」に備えて作った今年版の祭壇です。

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2009年10月20日 (火)

ウワチナンゴ ア ラ ベラクルサーナ

Velacruzana 相変わらず、忙しい日々が続いています。やはり、広尾の店に移ってランチを始めて、スタッフも多くなったりしたので、いろいろやることが増えてるんですね。朝から深夜までほとんど働きっぱなしです。唯一休めるのは、ディナーの営業前の賄いの時間だけですが、それも時間が無くて10分で済ませてしまったり、、、

そんな余裕の無い日々ですが、マスコミ関係の仕事は、なるべく受けるようにしています。本物のメキシコ料理を、もっと皆さんに知ってもらいたいので。

 先週の水曜日に、この番組は2度目でしたが、東京MXテレビの「ザ・ゴールデンアワー」という番組のために、メキシコ料理における魚料理の代表格の「ウワチナンゴ ア ラ ベラクルサーナ」という料理を作りました。1.5キロくらいのけっこうな大きさの鯛にトマト、玉ねぎ、にんにく、オリーブ、ケッパー、パセリなどで作るソースをかけてオーブンで蒸し焼きにする料理です。上の材料だけだとよくある地中海風のソースみたいですが、ここで決定的な役割でメキシコ料理にしてくれるのが、この料理の出身地、ベラクルース州の原産と言われているハラペーニョ唐辛子です。その爽やかな辛さと奥深い旨味がこの料理の鍵を握っていると言ってもよいでしょう。

魚を一匹まるごと焼くので、そこから染み出てくる美味しいエキスがオーブンの中で水分が蒸発して濃くなっていくソースの旨味と一体となり、濃縮されたソースの中の野菜がオーブンの中でチリチリと香ばしくカラメライズされたとき、とても美味しい料理の完成となります。

今回、久し振りに作って、やっぱり美味いと思いました。やはりメキシコ料理は旨い!

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2009年10月 1日 (木)

チレ ポブラーノ

Poblano 早いもので、もう10月ですね。今年の夏は、いつの間にか終ってしまいましたが、このぶんだと、秋もあっという間に終わって、すぐ冬が来そうな気がしております。毎日、仕事ばかりしているから、月日が経つのが早いのでしょうか?

 昔、10ヶ月くらい仕事をしないで旅から旅へと明け暮れていた頃がありましたが、あのときは時間が過ぎるのが遅い気がしたものでした。ニューヨークからスペインに渡ってヨーロッパを巡ってからブラジルへ飛び、南米を廻ってから中米、メキシコ、そして国境を越えて車でアメリカ合衆国を縦断して再びニューヨークへ、という旅でした。あの時は、中米の辺りで、移動することと部外者としていることに疲れてしまって、早くどこかに落ち着いて仕事がしたいと思ったものでした。

 その時から考えると、今は理想の生活をしてるはずなんですがね、、、

 さて、シルバーウイーク中、ずっとお出ししていた「チレ エンノ ガーダ」、ポブラーノという唐辛子が切れてしまい、中断していましたが、昨日また千葉から届きましたので、今日からまた再開します。時期的にはちょっと遅くなっていますが、今年もとても好評を頂き、個人的にも、とても良い出来だと自負しているので、もうちょっとやります。

 写真は届いたばかりのチレポブラーノです。完全無農薬栽培で、とても元気です。あと、2か月くらいは採れるそうなので、「ノガーダ」が終わっても、「レジェーノ」として出していきたいですね。

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2009年9月 4日 (金)

新物アボカドとアボカドオイル

017_2  ちょっと前から、出回っているアボカドが新物になっているのに気付きましたか?

 玉ねぎやジャガイモのように、アボカドも新物の時期があります。ちょっと前までは、だいたい7月くらいだったのですが、世界的な気候不順の影響か、最近は遅くなっている気がします。

 そして、今年は、つい最近、新アボカドに切り替わりました。このアボカドはくどさは無いのですが、コクに乏しく、ちょっと青臭くて果肉もスカスカ気味なのが、難点です。個人的には、ハッキリ言ってあまり好きではありません。出来れば、他のメニューを食べて頂きたいと思うほど、、、

 でも、メキシコ料理屋で、アボカドが無いというのは、お寿司屋さんでマグロが無いみたいなもので、たいていのお客さんは納得してくれません。だから、毎年、この時期は、頭が痛かったんです。常連さんにグアカモレを頼まれて、「今は止めといたほうが良いですよ。」なんて言ったこともありました。

 ところが!今年は強力な味方を発見!ナショナル麻布さんで見つけた"ROCIO DEL BOSQUE"(森の雫)という名前のアボカドオイルです。うちで使っているアボカドと同じ、アボカドの最高品種とされるメキシコはミチョアカン州のハース腫を搾って作っているためか、うちのアボカドと相性バッチリ!です。これを数滴垂らすだけでグアカモレの味が数段アップしました。これで、今年は憂鬱な思いをしなくて済みそうです。

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2009年6月30日 (火)

 Lomo Adobado

Lomo  もうすぐ、6月も終わりですね。まだまだ、晴れない日が多いですが、時折り太陽が顔を出すと、真夏のような暑さになってきました。

 とうもろこし、ズッキーニ、トマトといった、メキシコ料理でよく使う野菜たちが元気に店先に並ぶようになりました。不景気で、気持ちがふさぎがちですが、来月からは、これらを使って夏に元気になれる料理を作っていきたいですね。

 10年目を迎える今年の夏は、今一度、基本にもどってメキシコ料理のベーシックな部分に力を入れていきます。例えば、こんな料理、"Lomo Adobado"。Lomo はロース肉のことで、Adobadoは「漬け込んだ」という意味です。アドボ(adobo)というのが、漬け汁という意味で、これは、冷蔵庫などが無い時代に肉を腐らせずに保存するためにスパイスや酢を効かせた漬け汁に漬けておいたのが始まりの料理で、メキシコではとてもポピュラーなものです。ちなみにスペインにも同じ名前の料理がありますが、あちらではスパイスは主にパプリカですが、メキシコではやはり唐辛子を使います。代表的なのは「アンチョ」という唐辛子を使ったもので、サルシータでもこの唐辛子にトマト、にんにく、赤ワインビネガーなどをミックスしたアドボを作って豚のロース肉を一晩漬け込んでいます。
 唐辛子と聞くと辛いイメージを持たれるかも知れませんが、全くそんなことはなくて、味わいは、見た目と同様に不思議と日本の照り焼きに似た感じです。どこか懐かしい感じのするメキシコ料理ではないでしょうか?

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2009年6月26日 (金)

藤沢タコスタア

 どんよりとした梅雨の季節、お客さんの数ががたっと落ちて胃の痛くなるような日々が続いております。この不景気で、皆さん、外食に出かける頻度が減っているのでしょうか。つい、先日、うちの店と客層が似ていて、いつも賑わっているようだったので、密かに目標にしていた原宿のあるお店がクローズしてしまった、というニュースを知りました。お店というのは、オープンするときは華々しいけれど、クローズするときは淋しく、あっけないものなんですよね。家賃や人件費が高くて競争相手も多い都心で長くお店を続けるのは、大変だなと痛感する毎日です。今からは、ますます厳しい生き残りをかけた戦いになるでしょうが、落ち込まず、前向きな気持ちでがんばりたいと思います。

 Photo さて、先日、気分転換をかねて、さるしーたで約1年働いてくれて、少し前に念願の独立を果たした古瀬君のお店、藤沢「 タコスタア」にお店のスタッフ達と出かけてきました。

藤沢って初めて行きましたけど、けっこう都会なんですね。横浜から意外と近いし、そんなに遠くないんですね。オープンしたばかりのピカピカのお店で、サルシータ仕込みの?美味しい料理を頂きました。店主の古瀬君が飲め飲めというもんで、ついついテキーラをハイペースで飲み過ぎちゃって、意識を失ってしまいましたけど(笑)、、、

でも、とても楽しかったです。料理も本当に美味しかった。皆さんも、ぜひ行ってみて下さい。

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2009年6月16日 (火)

アラチェラ

Arrachera_3 本格的に梅雨に突入ですね。自宅から最寄りの駅まで、けっこう歩くので、連日の雨はちょっと気が重いです。でも、農業にとっては必要な雨なんですよね。美味しい野菜やお米あっての僕たちの生活だし、仕事なので、雨にも感謝しないと、ですね。

 なんでこんなことを思うかというと、最近読んだこの本の影響かもしれません。

「農協の大罪」 山下一仁著 宝島社新書

この本によると日本が経済大国たりえたのは、豊富な水資源のお陰だそうです。日本の年間降水量は世界平均の2倍で世界第3位。そしてここが重要なのですが、我が国特有の豊かな森林と水田が「自然のダム」の働きをしてその水を蓄えてくれることにより日本の取水量は世界の1位、世界平均の約6倍となり、この並外れた水資源が日本の産業の礎になっていたのです。日本が工業立国たりえたのも、この水資源があったから、何故かというと、農業だけでなく工業においても水というのはとても必要なものだからだそうです。そしてこの著者が憂いているのは、農水省と農協が推し進めている減反政策によって日本から水田が少なくなり、米の生産(これもとても大切ですが)以外に水田が長年果たしてきた水資源保持、洪水防止といった、いわば人間と自然の共生システムを壊してしまうことなのです。

 こんなこと以外にも、この本には、目からウロコが落ちるようなことがたくさん書かれていました。ある目的のために作られた組織が、大きくなるにつれて、初めの目的よりも組織そのものを維持することに重きを置かれるようになることなど、現代社会の問題点についてもいろいろ考えさせられました。

 さて、サルシータの話です。最近、ランチで出して好評を博しているのが、アラチェラ(ARRACHERA)というメキシコ風ハラミステーキです。日本の焼肉屋さんでも最近人気のある牛の横隔膜の部位、フランス料理ではバベットと呼ばれるところですよね。ちなみにアラチェラというのはメキシコ特有のスペイン語のようで、スペイン語の辞書には出ていません。スペイン語でこの部位は"FALDA"(スカート)と言います。細長くてひらひらしている感じがスカートに似ているからでしょうか?因みに英語でもここは"SKIRTSTEAK"といいますね。

 この部位は、牛肉の中でもジューシーで肉本来の旨味が味わえるところで、メキシコでも大人気です。サルシータでは、塩、サラダ油、ライム、ハチミツで一晩マリネしてから焼いています。美味しいですよ!

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2009年6月 2日 (火)

メキシコのケーキ

3leches_fresa_2 早いものでもう6月ですね。

インフルエンザ騒動も、どうやら収まりつつあるようで、良かったです。その影響とは思いたくないけれど、好調だった昨年に比べ、今年の5月は閑な日が多かった。今月から巻き返していきたいです。

あまり、政治ネタは取り上げない方針ですが、ちょっとだけ良いですか?

先日、通った今年度の補正予算って何なんですか?15兆円の経済対策って、要は必要ないものをたくさん作って僕らが払った税金をばら撒くってことじゃないですか。大金かけてお台場に漫画の殿堂を作るとか必要ないでしょ!わけの分からない基金をいっぱい作って天下り役人に甘い汁を吸わせたり、この国はすごい借金があるというのに、そんなことしてる場合なのか?いったい小泉政権の改革は何だったのでしょうか?また、おかしいのは、いつもは政府に批判的な筈の新聞やテレビなどメジャーなマスコミは、今回はほとんど知らんぷり。結局は政府や財界と癒着しているからでしょう。

 話を戻します。こんなばら撒きの恩恵には無関係な我々は日々の仕事を頑張って生き延びていかねばなりません。先週は毎日ケーキを焼いていました。トレスレイチェスというメキシコのケーキをお店で出していますが、先週は、何故かこのケーキのリクエストが多かった。メキシコではとても人気のあるケーキなので、日本に住んでいるメキシコの方達は、このケーキがあるというと、とても喜んでくれるようです。日本人の方達にも、もっともっと好きになってもらいたいケーキですね。

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2009年5月 7日 (木)

テキーラの飲み方

Tequila_senor やっと連休が終りましたね。

 ゴールデンウイーク中は、休み無しで営業しているので、だんだん、曜日の感覚が無くなってきました。

 メキシコ発のインフルエンザの影響でお客さんが来なくなるのでは?と心配しましたが、そんなに影響は無かったみたいです。そんなに忙しいわけでもないけれど、ぼちぼちの入りでした。

アメリカ人が祝うメキシコの祝日、5月5日は、予想通りアメリカの方達が、たくさん来店されましたが、けっこう、この日は何か特別なサービスを期待される方が多いのですね。去年のブログで書きましたが、実は、メキシコではそんなに大騒ぎする日ではないのですが、せっかくなので、来年から何か考えてみようかな?と思いました。

 ところで、、、先日、恵比寿時代からの常連のお客さんとお連れの女性の方とお話していたら、昔、その女性のお客さんがテキーラボンバー(ショットグラスにテキーラとソーダを半々に入れて、それをテーブルに叩きつけてシュワーとなったところを一気に飲み干す、という飲み方)を頼んだら、ぼくが「うちにあるテキーラは美味しいものばかりなので、そんな飲み方はしないで下さい。」と断った、とのこと。どうも、コワイ人、みたいな印象を持たれていたみたいです。 そういえば、あの頃は、たいてい、そんな対応をしていたような、、、今だったら、お勧めはしなくても、お断りはしないかも、とも思いますが。

 そんな話から、テキーラは本当はどうやって飲むのがおいしい飲み方なのか?という話になりました。うちも含めたいていのお店では、テキーラを頼むと、一緒に塩とライムが出てきますが、あれはどういう順番で口にするのが正しいのか?先に塩を舐めて味蕾(舌にある味を感じる器官)を開いてからテキーラを飲み、ライムで口をさっぱりさせる、という人。人差指の付け根に塩を置いて、そこにライムを搾って舐めてからテキーラ、という人、まずテキーラを口に流しこんでから塩とライムで追いかけるのが正しい、という人。メキシコには、サングリータ(サングリアではないですよ)というトマトジュースを酸っぱくスパイシーにしたような、テキーラ用のチェイサーもあります。

 ぼくの結論。おいしいテキーラがあれば、塩もライムも要らない。塩とかライムとかは、安価なテキーラをなるべく美味しく飲むための知恵じゃないですかね。塩を舐めた後だったらテキーラを甘く感じるし、ときとしてアルコール臭い後味もライムでさっぱりと断ち切ることが出来るし、、、うちはお店だから、こだわり抜いたずいぶん高いテキーラも置いていますが、日常的に飲むようなタイプのテキーラだったら、こんな飲み方で良いと思います。

ただ、うちでお勧めしている芸術品のような珠玉のテキーラだったら、それだけでじっくり味わうのがベストじゃないですかね。もちろん、一気飲みなどもってのほか。ゆっくり味わって、たまにライムを齧って口をさっぱりさせたり、美味しい塩(うちでは、沖縄の「青い海」というのを使っています。)をちょこっと舐めたり、というのが良いのではないでしょうか?

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2009年4月21日 (火)

オルチャータ

Aguas 先週のニュースで、けっこう衝撃的だったのが、反米で知られるベネズエラのチャべス大統領が、オバマ大統領と握手していた写真でした。カストロを尊敬し、ブッシュを悪魔と呼んだ彼が、オバマになったとたんにそんなに変わるとは、、、

 そして、興味深かったのが、彼がオバマに手渡した本です。新聞で見て、もしやと思ってネットで調べたら、やはり、あの本でした。

ウルグアイの作家エドゥアルド・ガレアーノの"Las veinas abiertas de America Latina" 中南米における欧米諸国の搾取ぶりを告発した歴史書です。タイトルは訳すと「切り開かれたラテンアメリカの血管」とでもなるでしょうか。日本語訳「収奪された大地」も出ていて、20年近くまえに読んで衝撃を受けた思い出があります。

 ラテンアメリカでは広く読まれている本のようで、ぼくもボリビアで露天の本屋で平積みになっていたのを買って、スペイン語の勉強にと少し読んで挫折しました(笑)。確か、アルゼンチンのベテランスカバンド"Los fabulosos cadilacas"に同じタイトルの曲がありましたね。それこそ、アメリカが後ろで糸を引いたといわれるクーデターで倒されたチリの元大統領サルバドール・アジェンデの姪で作家のイザベル・アジェンデが祖国を後にした時に持って出た本の1冊だったとか、、、それはさておき、今回驚いたのは、このニュースが出てから、アメリカのアマゾンで、売上げランク五千何百位かだったこの本がたちまち7位にまで上がったというニュースでした。圧倒的多数のアメリカ人は自国に都合の良い歴史解釈しか教わっていないので、こういう現象を起こしただけでもチャべスの功績は大きいと思います。

 さて、メキシコでよく飲まれているノンアルコールの飲み物の代表、オルチャータを作ってみました。生のお米とシナモンスティック、アーモンドで牛乳に味と香りを付けた飲み物です。

 もともとは、スペインのバレンシア地方が発祥の地で、あちらでは「チューファ」と呼ばれる植物の球根から作られます。メリメの小説「カルメン」にも登場していたと記憶しています。バルセロナに滞在していた頃、下宿先のすぐ近くにおじいちゃんがやっているオルチャータ屋さんがあって、午後の短い時間だけの営業だったのに(だからか)、いつも行列が出来ていたのですが、そこのオルチャータの味は未だに忘れらないほど美味しかったです。

 メキシコのオルチャータは、チューファが手に入らないので、お米などで似た風味を出しているのでしょう。こちらもなかなかいけますよ。スタッフに味見させたところ、評判は上々でした。写真の真ん中のやつです。ちなみに左は「ハマイカ」と呼ばれるハイビスカスのアイスハーブティ、右はタマリンドというソラマメ科の植物の果肉を水に溶いてつくる飲み物で、この三つが、メキシコでは人気の飲み物の代表でしょうか。

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2009年4月11日 (土)

食楽5月号

Shokuraku 現在、発売中の徳間書店の雑誌「食楽」5月号の別冊付録「家飲みおつまみレシピ洋風編」に、イタリアン、フレンチ、スパニッシュの有名シェフ達と一緒にメキシカン代表として、おうちでも簡単に出来る?おつまみレシピを7つ紹介させて頂きました。

 是非、手にとって見てください。ぼくも拝見させて頂きましたが、イタリアン、フレンチのシェフは、自由闊達に変化球を交えて遊んでいたのに対し、スパニッシュ、メキシカン(つまり僕です)のシェフは、ベーシックな正統派レシピですね。やはり、すっかり、深く浸透している、イタリアン、フレンチと、まだまだ、新参者のスパニッシュ、メキシカンの違いでしょうか?

 でも、こういう企画にメキシカンが取り上げられること事態が、けっこう画期的かもしれませんね。僕以外のシェフ達は、グルメ雑誌などによく登場する有名な方達ばかりだったし、こういううことがきっかけになって、メキシコ料理が、もっともっと一般的になっていってくれたら良いなと思いました。

そういえば、今度の月曜日放映予定のTBS「はなまるマーケット」で、サルシータの人気商品「チョリソの溺れ玉子」の家庭向きの易しく作る方法を紹介する予定です。お楽しみに!

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2009年3月11日 (水)

CEBOLLITA

Cebollita まだまだ、寒い日が続きますが、春は確実に近づいていますね。最近、近所のナショナル麻布さんで見つけてランチの付け合せによくお出ししているのが、メキシコで"CEBOLLITA"と呼ばれている、小さな葉っぱ付きの玉ねぎです。メキシコでは、これがタコス屋さんの定番なんですよね。程よくグリルすると、香ばしさと甘さがなんともいえない美味しさなんですよ。

写真は、鶏肉をハーブと白ワインとメキシコの唐辛子「アンチョ」でマリネしてオーブン焼きにしたものに合わせてみました。

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2008年12月22日 (月)

今日、エフエム横浜に出ます!

今日の夕方のエフエム横浜の番組で、メキシコのことを紹介するみたいで、その中で取り上げるクリスマスの飲み物「ポンチェ ナビデーニョ」について、少しお話させて頂きました。

この番組です。http://blog2.fmyokohama.co.jp/RadioDock/

6時過ぎから10分ほどになるようです。

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2008年10月11日 (土)

死者の日のパン

 10月に入ると、広尾界隈は、どこのお店もハロウイーンの飾り付けで賑わっています。我がサルシータも何かしなくちゃ、と思いながらも、メキシコ料理屋なのにハロウイーンは、やはり無いな、と思って、メキシコでこの時期に街角を飾っている、「死者の日のパン」を焼いてみました。卵の割合が多めのパンで、骨の形の模様が付いているものです。入り口近くの十字架のところに、「死者の日」ゆかりのお花である、マリゴールドのお花と共に置いてあります。ちょっと、今、コンピューターのトラブルで、写真がアップ出来ていませんが、ご来店された際は、是非、ご覧下さい。

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2007年7月 9日 (月)

ファイナルウイーク

 1999年の8月20日に開店以来、約8年の長きに渡って皆様に支えていただいたサルシータの恵比寿店を今週いっぱいをもって閉店することになりました。

 広尾の新店舗は今のお店より約2.5倍に広くなって、7月25日にオープン(あくまで)予定です。今度の店では、メキシコ好きなスタッフを揃えて、メニューもよりメキシコ料理の原点に立ち返ったものにする予定ですので、期待してください。

 振り返ってみれば、長いようで短かった8年間でした。初めのうちは、兎に角、お客さんが来なくて苦労しました。今だから笑って言えますが、三夜連続で、夜の11時までお客がゼロなんてこともありました。その時に三夜連続で店の前を通りかかり、視線が合って仕方なく来店してくれたのが、即興演劇集団「FREE CRUZ」代表のBOBIさんでしたね。あのときはお世話になりました。今度の青山円形劇場での公演、頑張ってください。 

 1周年記念のパーティで偶然、相席になって知り合った二人がその後結婚して、今ではお子さんもいらっしゃる、なんてこともありました。そのほかにも、いろいろな出会いや別れがありました。

 そんな数々の思い出が詰まったこの店も、いよいよファイナルウイークです。最後まで、気を抜かずにいつも通りの営業を心がけていきますので宜しくお願いします。

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2007年7月 7日 (土)

広尾新店舗

ご無沙汰しています。

恵比寿の現店舗が連日満席の盛況で、その仕込みに追われる中、新しい店舗の準備やら、働いてくれるスタッフの面接やらで、とても忙しく更新が延び延びになってしまいました。

 新しいお店は着々と完成に向かっています。今は、こんな感じですけど。

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今月中のオープンを目指して頑張ってます!

でも、メキシコから送った荷物が心配だー。とっくに着いているはずなのに、まだ届いていない。「エル ボラーチョ」のすーさん!負けずに頑張りましょうね!

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2007年6月15日 (金)

メキシコ旅行記その5

 メキシコシティ2日目です。

今日は、朝の10時半にホテルの近くの地下鉄の駅で、以前、サルシータの常連のお客さんで、今はメキシコシティ在住のSAEKOさんと待ち合わせて、南部の町、コヨアカンへ。

 コヨアカンはちょっと高級な静かな住宅街で、かのフリーダ・カーロやメキシコに亡命してきたソ連の革命家、トロッキーの家があったことでも有名な場所です。 とても、雰囲気の良いところで大好きなんですが、実は、ここの週末の名物の一つが町の中心部の広場で行われる民芸品の市場なのです。今回は、新しいお店に飾るものを物色に来ました。メキシコにはいろいろな地方ごとに独特の民芸品がありますが、その品質はけっこうバラバラで、例えば、アメリカ人や日本人がよく行くティフアナやカンクンなどの観光地はあまり良い物が無くて、サン・ミゲール・デ・アジェンデやオアハカとかに行くと、かなり高級でセンスの良い物を売っていたりしますが、ここコヨアカンの市場では、かなり品質の良い物を、手ごろな値段で手に入れることが出来ます。

 メキシコ映画の昔のスター、ペドロ・インファンテやペドロ・アルメンダリスなどのモノクロームの写真や、ぺちゃんこになったテキーラの瓶、とても小さなモルカへーテ(メキシコ版すり鉢)やトルティーヤプレスなどが付いたミニチュアの食器棚などの装飾品やトルティーヤを入れるバスケットなどを購入。うちの奥さんへのプレゼントに花の刺繍の入ったブラウスも買いました。

 戦果?に満足してコヨアカンを後に、SAEKOさんの家の近くのメルカド(市場)にカルニータス(豚)のタコスの美味しい店があるといういうので、食べに行きました。ここのメルカドには、けっこう大きなシーフードのお店も入っていまして、そちらもけっこう賑わっていました。そちらに比べるとカルニータスの店は小さかったのですが、さすが、評判の店だけあって美味かった!ここでは、豚の好きな部位を指定できるので、ぼくは、すね肉とアバラ肉と首の肉を注文しました。屋台によくあるトルティーヤ2枚重ねのスタイルで、肉が大盛りなので、タコス3個でお腹一杯になります。これでビールを頼んでも400円くらいなので安いですよね。さすが、メルカドは庶民の味方!です。

 SAEKOさんと別れてホテルに戻り、一眠り、のつもりがけっこう長く寝てしまって、起きたらもう夜の7時。しまった、今夜はメキシコシティの銀座、それとも青山?って感じの高級商業エリア、ポランコ地区の有名レストランに行くつもりだったのに!慌ててタクシーに乗り込みますが、お目当ての店はすでに閉店していました。日曜だから夕方までしかやっていないみたい。まあ、いいか、そんなにお腹すいてなかったし。仕方がないので、グッチやエルメスなどの高級ブランドの店が軒を連ねるプレジデンテ・マサリク通りをうろちょろして、まだ開いていた数少ないお店に入りました。ここは、パストールという、いろいろなスパイスでマリネした豚肉のスライスを、ドネルケバブの要領で棒に巻き付けて炙り焼きにしたタコスが名物のお店でした。店員の兄ちゃんが、片方の手で持ったナイフで器用に肉を削ぎ切りにして、もう片方の手で持ったトルティーヤの上に落としていきます。最後に、一番上に刺してある、付け合せのパイナップルを落として完成!これと、アラチェラという、牛肉のハラミのタコスを食べて、満足、お腹いっぱいになりました。(今日はタコスばかり食べているなあ)

 店を出ると、夜風が心地良いので、お洒落なポランコの街をしばし散策。いかにもお金持ちのお坊ちゃんといった感じの若者達がたむろしているカフェに入って、メキシコ名物のカへータ(山羊のミルクのキャラメルソース)のクレープを食べて、ホテルに帰りました。<続く>

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2007年6月 7日 (木)

メキシコ旅行記その4

いよいよグアダラハラ最終日。

やり残したことがないようにしないと!と言いつつ、まずはソカロ近くの市場で腹ごしらえ。ここの名物で「トルタ アオガーダ」という、ソースがかかったメキシコ風のサンドイッチがあって、それを食べとかないとね、と杉山さんと話していたのですが、ついに食べれました。感想は、、、? うーん僕的には、そんなにそそられる料理じゃないなあ。もともと、固形物を液体に浸して食べるスタイルが、そんなに好きじゃないんですよ。スペイン人がチューロスをホットチョコレートに浸したり、フランス人がクロワッサンをカフェオーレに浸して食べたりしますが、そういうのが、もともと、しっくり来ないほうなので、、、でも現地ではとても人気のある食べ物なので、やっぱりこういうのもあると知っておくことは大事です。ちなみに、「本物のメキシコ料理を広める会」大阪支部(勝手に僕が作りました。)の「ケリコ」のシェフ、フミオ君はこれが好きなようです。さすが、舌の感覚もメキシコ人だなあ。

 ここ、リベルタ市場は、とても巨大で、こういう小さな食堂もたくさんあれば、野菜や肉などの食べ物から、服、お土産、CD、日用品まで、なんでも売っています。お腹が満たされた後は、杉山さんに教えてもらったお店で木製のトルティーヤプレスを2台購入。アルミ製もありますが、木製のほうが、安定感があって使いやすいんですよね。但し、すごく重い。

 その後、サルサ用のスプーンやスタッフの制服用の服を少し購入しました。サイズが合えばいいけど、、、

 そんなこんなで、あっという間にお昼になってしまいました。ホテルをチェックアウトして、タクシーで空港へ。アルトゥーロさんにブリトーの美味しい店が空港の近くにあると訊いていたので、時間があればそこに寄りたいと思っていたのですが、間に合わず断念。

 杉山さんは、更に美味いブリトーを求めて?北部の町モンテレイへ、ぼくはメキシコシティに午後2時の飛行機で飛ぶことに。ここで、杉山さんともお別れ。本当にお世話になりました。日本でメキシコ料理屋をやっている数少ない者同士として、いろいろお話をさせてもらって、とても参考になりました。本物のメキシコ料理を日本に広めるため、お互い頑張りましょう。

 メキシコシティまでは飛行機だと1時間足らず、あっという間に到着です。眼下に世界一の大都市が見えてきました。思えば、バックパッカーの頃は、このくらいの距離で飛行機を使うなんて考えられなかったけどね。

 今回、シティではローマ地区に あるホテルに泊まることにしました。空港から市街地まで割りと近いのが良いです。成田とかだと長いもんね。20分くらいでホテル「スタンザ」に到着。 そんなに疲れていなかったので、散歩でもしようと外に。大きな通り沿いに、本や服、アクセサリーなどの露店が出ていて、見物しながら歩いて行くと、アラメダ公園の近くまで来てしまいました。それならばと、ディエゴ・リベラの大作「アラメダ公園の日曜の午後の夢」を見に、美術館へ。メキシコの歴史上の重要人物達が時空を超えて、アラメダ公園に勢揃いしている壮大な絵で、見るたびに圧倒されてしまう大作です。

 美術館を出て、さらに散策。5年ぶりだけど、そんなに変わってないですね。お腹がすいたので、有名店「カフェ・デ・タクーバ」(ロックバンドではないですよ)で食事。これは、失敗でした。観光客ばかり増えてしまったからか、サービスは横柄だし、料理も美味くなかった。昔は良い店だったのになあ。人気が出すぎると、こうなる店は多いですね。反面教師として、肝に銘じておこう。ちなみに、貧困をテーマにしたアメリカの社会学者オスカー・ルイスの著書「サンチェスの子供達」で一家の長老が働いていたレストラン「オーロラ」はここがモデルだと;言われています。

満腹になると、急に眠たくなり、地下鉄でホテルに帰ると、速攻寝てしまいました。

<続く>

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2007年5月31日 (木)

メキシコ旅行記その3

 メキシコ三日目。今日の朝食は、アルトゥーロさんお勧めのカルネ アサダの店に行くということなので、ホテルではコーヒーと果物だけにしました。10時半頃、アルトゥーロさんが迎えに来て、いざ出発。着いたお店は、庶民的な住宅街の中にある、トタン板で覆われた、半分屋外のとても大衆的な”食堂”といった感じのお店でした。

 早速、名物のカルネ アサダを注文。すると、店のお姉さんが、焼肉のカルビのような部位を網でサンドイッチにして炭火でじゅうじゅう焼き始めました。僕らの席の後ろ側では、とうもろこしを茹でて磨り潰した”マサ”を丸く伸ばしてトルティーヤを次々と焼いています。焼きたてのトルティーヤに自家製のサルサ、ノパル(ウチワサボテン)のサラダなどを乗せて食べてると、もう、これだけでいいや!ていうくらい美味しい。そのうち、焼きたての肉が到着。炭で炙って焼いているので、香ばしくて旨い。なるほど、こういう料理だったら、屋外が似合いますね。

 そういえば、この店の名前が面白かった。「ラス エルマナス コラヘ」(怒りんぼ姉妹)と言うんです。アルトゥーロさんによると、昔、ある姉妹が始めたこの店に(今でもですが)沢山のお客さんがやってき来て、入れないお客が外で待っているのに、食べ終わったお客さんがお喋りしていてなかなか席を立たないので店主の姉妹が腹を立てていたということから付いた名前だそうです。うーんサルシータの状況に似ていて他人の気がしないなあ。それにしても、それを店の名前に出来るメキシコ人のユーモア感覚が良いですね。

 そのうち、ランチェラ(メキシコの伝統音楽)のグループが演奏を始めました。女の子が歌って、お父さんとお兄さんたちが伴奏しているファミリーバンド。メキシコでは、人が集まるところには、必ず音楽がある感じですね。

 その後は、仕事でペルーに向かう田中さんと別れて「エル ボラーチョ」の杉山さんと再びトラルケパケとトナラでお店に飾る装飾品を物色。フリーダ・カーロの写真やオーナメント、そして大きなブリキのサボテンをゲット。今回は杉山さんが送るコンテナ便に載せてもらうことが出来るので、普段は買えない大きなものも買ってみました。

 夜は、やはりアルトゥーロさん推薦の郊外の町サポパンのシーフードレストランへ。メニューの全てがシーフード。水族館風の店内にウエイターのネクタイも魚模様という徹底振り。実は、海産物で有名なシナロア州発祥のメキシコ全国に支店がある大きなチェーン店でした。セビッチェ、シーフードのスープ、白身魚に海老やマッシュルームを詰めた料理などを食べました。今回、グアダラハラでは昼は市中心部の庶民的な店、夜は三夜連続で郊外型の富裕層向けの大きなレストランで食事をしました。それぞれに良さはありましたが、味では庶民派の店のほうが美味しいように感じました、勿論、雰囲気では、金かけて作っている郊外型も良かったですが。この両方の良いところをミックスしたようなお店を僕は目指したいと思いました。   <続く>

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2007年5月28日 (月)

メキシコ旅行記その2

 5月17日、メキシコでの二日目です。ホテルのレストランで朝食のバフェット。エンチラーダ、アルボンディガ(メキシコ風ミートボール)、チラキーレス(トルティーヤのトマトソース煮込み)、フリホレス(豆の煮込み)などに温野菜、ヨーグルト、フルーツサラダ、ジュース、コーヒーなどをモリモリ食べる。メキシコに来ると不思議と朝から食欲が出ます。 

 両替してから、現地のコーディネーター、アルトゥーロさんの車で、工芸品で有名なトラルケパケ地区へ。杉山さんが新しいお店で使う「エキパル」というこの地名産の皮製の椅子の製作現場へ。手造りで一個一個作っている模様を見学してから、アルトゥーロさんのガラス工場へ。新店舗で使うメキシコ名物の吹きガラスのコップやグラスを300個ほど発注しました。工場プライスでとても安かったのでちょっと買いすぎたかも。しまうところがあるかどうか少し不安。でも、なかなか来れないのでねえ。

 少し離れたトナラ地区へ移動。こっちはトラルケパケよりも庶民的で、更に大きな民芸品店の町です。青いタイルで有名なタラベラ焼きの陶器の店で、トイレの手を洗うボウルと鏡などを買いました。それから昼食!この地方名物の「カルネアサダ エン ス フーゴ」の店でアルトゥーロさんの奢りで頂きました。ちょっと肉じゃがを思い出させるような懐かしい味?美味かった!

 再び、トラルケパケへ、杉山さんたちがランプを見ている間に、陶器の皿で有名なエル パロマールでお皿やコーヒーカップなどを多数購入。以前よりもデザインが多彩になっている感じがする。やはり白い皿よりもこういうほうが好き。料理を盛るのが楽しみだ。

 夜は、アルトゥーロさんお勧めのマリアッチの生演奏が聞ける"BARIACHI"というお店へ行きました。バーとマリアッチをつなげた造語ですね。大きなお店の前方のステージでマリアッチの生演奏があります。料理は大きなモルカへーテの中に肉や海老などがチレのソースでグツグツ煮てある豪快な一品をオーダー。ミチェラーダ(フチに塩を付けたグラスにライムの搾り汁とビールを入れた飲み物)で流し込みます。美味い!

 ステージではマリアッチの合間にアメリカ対チーボスの試合の中継が始まりました。チーボスが勝って大盛り上がり。やはりこの国の人はサッカー(こちらではフットボール)が好きですね。Rimg0220 Rimg0223 Rimg0222_1 Rimg0224 Rimg0225 <続く>

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メキシコ旅行記その1

 お久し振りです。メキシコから帰ってきました。

 今回は、出発直前で飛行機会社が変わるハプニングがあって、予定より二日遅れてしまったので、その分、帰国してからのスケジュールが詰まってしまって、水曜日に帰ってきてから次の日からお店を開けてました。新店舗の準備などをしながら、買出し、仕込みをして、木、金、土と時差ボケが直らないまま、たくさんのお客さんの料理を作って、いやあ、大変でした。この週末でなんとかリセットです。

 今回は、去年の暮れから日本路線に参入した、メキシコの飛行機会社、アエロメヒコで行きました。アメリカの会社より少し高いけど、エコノミーでも割と座席がゆったりめだし、機内食もまあまあだし、アルコール飲料もお金取らないし、ティフアナでの入国審査と乗り換えもスムーズだし、乗務員さんも親切だし、とても快適でしたよ。ぼくは、これからはここに決めました。今度いつ行けるか分からないけど、、、

 さて、今回は、新店舗用のお皿やグラス、装飾品などを買い付けるのが目的の短い旅だったんですが、当然、いろいろ食べて来たので、そのことを中心にプチ旅行記を書いてみたいと思います。

 まずは、飛行機の乗り換えで立ち寄ったティフアナの空港で

 殆どの他の乗客の方達は、乗り換え時間の少ないメキシコシティ行きの便に乗るのですが、僕の場合、グアダラハラ行きの便だったので、4時間弱も余裕があったので、朝なのに開いていたバハカリフォルニアワインのお店に入りました。ここでは、最近、とみに品質を伸ばしていると評判のメキシコはバハのワインをいろいろ飲みました。どれでも一杯5ドルで、4杯飲んだのだけど、朝から飲んでいる酔狂な客は他にいなかったためか、店員のセクシーなお姉さんが、他にも4,5杯テイスティングさせてくれました。サント・トーマスというブランドのワイン、といってもいろいろ種類がありましたが、白はソービニヨン・ブラン、赤はテンプラニーヨが美味しかったです。どこか、日本に輸入してくれないかな?

 そして、飛行機で2時間ほどで、メキシコの京都? 麗しのグアダラハラへ。

 西海岸のティフアナからだと、2時間の時差があるので着いたらもう夕方でした。空港から、市中心部のホテルサンフランシスコ プラザまでタクシーで向かいます。運転手さんは週末に行われるサッカーの試合、アメリカ(メキシコシティ)対チーボス(グアダラハラ)の話をしきりにしています。この二つの都市は、スペインで言ったらマドリードとバルセロナ、キューバで言ったらハバナとサンティアゴみたいな感じでライバル心がとても強いようです。ホテルで、今回お世話になる九州の貿易会社、ホセフィナ・トレーディングの田中さんと博多のメキシコ料理屋、「エル・ボラーチョ」の杉山さんと合流し、今、こちらで流行っているという、アメリカ先住民をテーマにしたレストランに向かいました。かなり大きな、ちょっとしたテーマパークのようなお店で、殆どの席は藁の屋根がかかった野外の中庭にあり、それを見下ろすような建物の2階の席に通されました。明るすぎないオレンジ色の提灯のようなランプに照らされた店内に涼しい風が吹いていて、とてもいい感じです。メキシコシティより標高が500メートルくらい低いグアダラハラは寒暖の差が少なくいつ行っても良い気候です。ウエイターがテーブルサイドに来て、モルカへーテ(メキシコ風すり鉢)でお好みの辛さのサルサを作ってくれます。それをトルティーヤに乗せて食べながら、タマリンドのマルガリータを飲む。うーん、メキシコに来たなーという感じに浸ります。メインの料理は、ミーハーな僕はメキシコの往年の名優の名前が付いた「ペドロ・アルメンダリス」を注文、ビーフとポルトべヨマッシュルームにゴートチーズのソースという今風の一品、盛り付けもそんな感じ、味のほうは?まあまあでした。それよりも、ここは雰囲気を味わうお店って感じかな。周りを見渡すと、お金持ち風のカップル多し。東洋人のオッサン3人の我々はちょっと浮いてるか?Rimg0212 Rimg0214 そんな感じで一日目の夜は更けていきました。 <続く>

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2007年4月 9日 (月)

メキシコ料理って、本当は美味しいんですよ!

 ここのところ、公私ともに多忙で、なかなか更新できませんでした。

そんななかで、嬉しかったのは新しいお客さんがけっこう来てくれたこと。うちのお店は常連さんが多く、それはそれで良いのですが、小さな店で宣伝も特にしていないので、新規のお客さんはそんなに多くないのです。

 でも、ここ2週間ほどは、メキシコ料理を初めて食べる、という人や前に一度食べたことがあるけど、ピンと来なかった、という人がけっこう来店されて、「メキシコ料理って美味しいんですね!」とびっくりされているのを見れて良い気分です。

 メキシコ料理って本当は美味しいんですよ!我が国の場合、メキシコ料理と謳っていても、実は本場のものとけっこう差がある料理を出しているところが多かったり、マスコミの方達が間違った情報を流したりしてくれたりするので、なかなか、メジャーになれませんが。とっても高価な飲料水を飲まれているらしい大臣の方が、海外の日本食レストランは間違ったのが多いから日本から調査員を派遣するなどと言っていましたが、それだったら、こっちの問題も何とかしてよ、と言いたいです。

 今年度から、本当のメキシコ料理を日本に広める運動をするぞーと思っていたら、既にやっているところがありました。

福岡の「エル ボラーチョ」あと、大阪の「ケリコ」です。

サルシータも負けないように頑張ります!

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2007年3月 1日 (木)

メキシコ料理の魔法

 先日、来店されたあるアメリカ人のお客さんと話していた時のこと。彼はサルシータの料理を大変気に入ってくれたようで、こう言われました。"Your food is magical."

アメリカ人は大袈裟だからなあ、とその時は内心そう思ったのですが、改めて考えてみると、店で料理を作って味見をした時に魔法にかかったような感覚を覚えることが、確かにあるのです。例えば、店で余って硬くなってしまった牛肉の煮込みの肉をやはり余りのサラダ用の野菜とメキシコの唐辛子のドレッシングで和えて口にして、その予想を裏切る美味しさにびっくりした時、或いは鶏肉と野菜の旨みいっぱいのスープにライムを搾りいれて、最後にほんの一つまみのオレガノの香りを纏わせた時、そして、鶏肉をメキシコの唐辛子とナッツと果物、それにチョコレートを加えた複雑な味のソース「モレ」で煮込んで、最後のひと塩で全ての材料の味と香りが渾然一体となって立ち上がって来た時に。

 ぼくは、ちゃんと料理の修業をしたわけではないし、料理人としてさして才能があるわけではありません。そんなぼくの料理でも魔法のように感じて頂けたとしたら、メキシコ料理自体に、そんな魔術的なところがあるからではないしょうか。

 かつて、作家のガルシア・マルケスが、自分の小説が魔術的と評されていることに対して、「自分の小説に出て来る不思議に見える現象、例えば、屋根に座っていた子供が、ハリケーンに空高く舞い上げられることなんか、実はリアルな話で、カリブの世界では珍しくないことなんだ。」みたいなことを言って反論していましたが、ぼくも似た心境になりました。「メキシコ料理の世界ではこんな不思議なような美味しさは当たり前のことなんですよ。」

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2007年2月12日 (月)

マスコミの嘘~メキシコ料理篇

 テレビ番組のデータ捏造のことが、話題になっています。フジテレビには、一万件を超える苦情の電話があったとか。それについて、モーリー先輩は、あんな番組をそんなに真面目に信じていた人がいたのに驚いた、とかラジオで言っていましたが、いくら本音でも、そんなことを同じマスコミのラジオで言うのもまずいんじゃないの?まあ、そんなところが好きなんですけど、、、

 それで、思い出したのですが、その同じラジオ局の番組で、去年の今頃、メキシコ料理について全く的外れなことを言っていました。それは、夜中の番組で、バレンタインデー前ということでチョコレートに関する話をあれこれしていて、その中に、メキシコのモレというチョコレートの入っている料理のことを取り上げていたのです。作家のロバート・ハリスさんが、メキシコを旅して出会ったこの珍しい料理について語る、という設定で、時間にすると、ほんの1分くらいだったのですが、その中になんと4ヶ所くらいの誤りがありました。1年前のことで、詳しいことは忘れてしまったのですが、余りにひどいと思って、ラジオ局に抗議のメールをしました。返事はありませんでした。

 まあ、ハリスさんが実際に原稿を書いたのではなくて、放送作家がやっつけ仕事で書いたのを(そうとしか思えない)読んだだけなんでしょうが、如何にも旅慣れているというイメージの彼が読むと、皆、信じちゃうよなあ。皆さん、モレに甘いチョコレートもミントも入ってませんよ。この料理が生まれたプエブラという街はアステカ文明の香りが色濃く残った街ではなく、メキシコで最もスペイン的と言われる街ですよー。

 考えてみれば、スポンサーの資金で番組を作っている民放で、作っている側の意識が雇い主であるスポンサーの方(つまり視聴率)に行くのは当然なんですよね。そこで、情報の正確さよりもインパクトが求められるわけです。だから、彼等の流す情報は常に話半分で聞かないとだめだと思います。ぼくは新聞の記事もあまり信じていません。新聞も、広告で成り立っていますからね。グルメ情報誌も然り。皆さん、どこに行けば本当に美味しいメキシコ料理を食べれるか、分かってますか?(笑)

何はともあれ、情報が溢れている今の時代、もはや送り手がどうのこうのと言うよりも、どの情報を信じるかは受け手の責任になってくると思われます。日垣隆さんじゃないけど、ますます、メディアリテラシーというか、情報の目利きが重要になっているのでしょうね。

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2007年1月 2日 (火)

¡FELIZ AÑO NUEVO!

 新年あけましておめでとうございます。昨年の8月の終りに始めたこのブログも、はや、4ヵ月あまりが経ちました。副題に「平凡な日常をラテンのパースペクティブで斬る!」なんて、勢い余って付けてみたものの、なかなか思ったようにいっていないことを反省しています。頭の中にはいろいろな思いが渦巻いているのですが、それを、さらっと解りやすい文章にすることの難しさ、というか自分の文才の無さを痛感いたしました。

 さて、新しい年ですが、今年の目標は、自分の店である「サルシータ」をもっとレベルアップして、メキシコ料理の素晴らしさをもっと多くの皆さんに知ってもらうことです。今の段階でも、お客さんには、だいたい、満足して頂いているとは思っています。常連のお客さんも多いのですが、まだまだ、殆どの方はメキシコ料理のことを誤解されているな、本物をご存知ないな、と年々実感させられているのも事実だからです。

 メディアや大手フードチェーンなどによって垂れ流される、本物とは遠く離れているメキシコ、及び、メキシコ料理のイメージを少しでも覆して、一般の方が、「今晩、何食べる?」と考えたときに、和食、中華、イタリアン、フレンチなどと対等にメキシコ料理も自然に選択肢に入るくらいにしたいというのが願いです。勿論、大変遠い道のりであるのは分かっていて、自分の力だけでは、全く足りないというのも自覚しております。なので、同じような考えを持っている方達を、もっと増やして、共に頑張っていけたらよいなと思っています。

 何はともあれ、今年も宜しくお願いいたします。

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2006年12月 2日 (土)

郷に入れば、、、

 先日、常連のお客さんで、アメリカ人のビルがこんな話をしていました。彼は、けっこう長く日本に住んでいるのですが、この前、久し振りに家族に会いにロサンゼルスに帰った時に、以前、好きでよく食べに行っていたメキシカンレストランを訪れたそうです。しかし、驚いたことに、出てきた料理は全く今の彼の口には合わなかったそうです。そして、量が多くて、とても食べ切れなかったとのこと。やはり、日本に長く住んでいるので、味の好みも胃袋も日本人ぽくなっちゃったのかなあ、と言っていました。

「郷に入れば、郷に従え。」ではないけれど、そういうことってやはりありますよね。ぼくも、メキシコで食べて美味しかった味を再現しているつもりでも、長くメキシコから遠ざかっていると、知らない間に日本風のメキシコ料理になっているのかもしれないな?と思いました。まあ、それはそれで良いのかな、そのときの自分が好きな味を出していければ、それが自分の個性なんだし。でも、そろそろ、また、メキシコに行って、自分がどう感じるか、試したくなってきました。

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2006年11月 3日 (金)

ビバ・テキーラ! ~メキシコの伝統と文化~

いつも、仕込み中にはラジオのFM放送をつけているのですが、今日、3ヶ国語を話すいかにも国際派という感じのDJ(と言わないで、最近はナビゲーターと言うらしいですが)の人が、「日本ではこれから寒い季節に入りますが、地球上には今から暑い時期になる所もあります。南米の国々です。」と喋っていたので、アルゼンチンかブラジルの話でもするのかなあ?と思っていたら、なんと「メキシコでは、、、」と始まってびっくりしました。

 メキシコが南米かよ!メキシコは地政学的には北米に属していますが、中米の国だと勘違いしている人は多くて、それは、気持ちは分からなくはない。中米とメキシコはつながっているし、同じスペイン語圏だし。それに対して同じ北米のカナダとアメリカ合衆国は英語圏で文化的にも相当違いがありますので。しかし、南米とは地理的に随分離れているし、それも南半球の国と間違うとはシンジラレナーイ!

 普通、こういう間違いが起きるとディレクターからヘッドホン越しに注意が入り、すぐ訂正されるんだけど、それも無かった。この程度の認識なんですね。昔、メキシコで、日本から来た、と言うと、「ああ、あのみんなが自転車を漕いでいるところか。」(明らかに中国と間違えている。)と言われたことがありましたが、日本人のメキシコに対する認識も、あのメキシコ人とあまり変わらないようですね。

 話が変な方に行ってしまいました。結局、そのナビゲーターさんが言いたかったのは、今、渋谷の「タバコと塩の博物館」で「ビバ・テキーラ! ~メキシコの伝統と文化~」という展示会をやっているということでした。けっこう面白そうです。メキシコの映画もやるみたいです。この「のんき大将」というルイス・ブニュエルの作品はお勧めですよ。

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2006年10月11日 (水)

死者の日のパン

Rimg0061  いつの間にか、ハロウイーンが日本にも(少なくともぼくが生活している東京の渋谷区近辺では)定着したようで、いろいろなお店の軒先で、オレンジ色のカボチャを見るようになった今日この頃、対抗して、メキシコで11月2日の「死者の日」の前のこの時期にあちこちで飾られているパンを作ってみました。

普通のパンより卵と砂糖が多めに入っていて、おやつ感覚で食べられるパンですが、このパンが「死者の日のパン」と呼ばれる所以は、周りに骨をかたどった両端が膨らんだ棒状の飾りが付いていることです。

 今回、偶然にもその骨の部分が、やけに力強く出来てしまいました。そして、このパンをしげしげと見つめていると、今年の夏に一般公開されていた、故岡本太郎画伯がメキシコで製作した巨大壁画「明日の神話」を思い出してしまいました。原爆の爆発をテーマにしたこの作品で、凄まじい爆風で吹き飛ばされる人間の骨が表現されていたと思いますが、その恐ろしい暴力にも負けない人間の尊厳を描いた、この作品のインスピレーションを岡本太郎さんはメキシコの「死者の日」の祭りから得ていたのではないか、という妄想が生まれてきたのです。肉体は死しても魂は死なないという、メキシコ先住民の死生観が、彼に影響を与えていたのではないかという推察もまんざらハズレでも無い気がします。

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2006年9月27日 (水)

メキシコ料理ワークショップ

Rimg0055_1 昨日、メキシコのお役所主催のメキシコ料理ワークショップが都内のホテルで開かれたので、参加してきました。

先週末、開かれた”フィエスタ メヒカーナ”関連の行事で、メキシコからアナ・ベニテスさんというシェフが来日して、メキシコ料理に於けるとうもろこしの重要性などの講義の後、料理の実演、試食がありました。

 はっきり言って、講義や料理自体は、ぼくがメキシコの料理学校で体験したことと大差無く、目新しいことは無かったのですが、このアナさんという女性シェフのチャーミングな立ち振る舞いに魅了されました。最後の挨拶では今朝読んだという「古今和歌集」の歌を引用して、日本の関係者に感謝の念を述べるなど、情緒豊かな方でした。同行したスタッフのR嬢も感動したようで、終了後にサインが欲しい、と言っていましたが、シェフは大勢の人達に囲まれてしまっていたので諦めました。

 ところで、最初の挨拶でメキシコ大使がおっしゃっていましたが、近々、日本ーメキシコのアエロメヒコによる直行便が就航する予定らしいです。これはビッグニュースですね。

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2006年8月31日 (木)

ブリトー?ブリート(タ)?

 メキシコ料理でタコスの次か、或いは同じくらいに有名なのはブリトーでしょう。あのセブンイレブンが20年以上も前に売り出していたから、認知度が高まったのはタコスより早かったでしょうね。

 でも、このブリトー、アメリカではとても人気のある食べ物ですが、メキシコではあまり食べられていないって知っていましたか?呼び方もメキシコでは、ブリートとかブリータというふうになります。この名前は、もともとロバという意味のBURROにスペイン語でいうところの縮小辞ITO(A)が付いたものです。この縮小辞という奴は物を親しみを込めて呼ぶときに使う表現で、スペイン語圏の中では、メキシコが圧倒的によく使うんですね。ぼくがやっているお店「SALSITA」もソースの意味のSALSAに縮小辞ITAを付けたものです。メキシコ料理のお店の名前にはこんな終わり方をしているものが多いと思いますよ。こうすると、やはり、メキシコっぽい響きになるんですね。ちなみにメキシコには「SUSHITO」という寿司のチェーン店があります。話が逸れました。それで、ロバには背中にいろいろな荷物を背負わせることから、この小麦粉のトルティーヤにいろいろな具材を詰める料理を「可愛いロバちゃん」みたいに呼ぶんですね。日本人にはちょっと理解しにくい感覚かもしれませんけど。

 この小麦粉のトルティーヤにっていうところが肝心です。実は、アメリカではとても一般的な小麦粉のトルティーヤですが、メキシコではとても少数派なんですね。食べられているのはアメリカとの国境に近い北の地方くらいです。メキシコでは、トルティーヤと言えばとうもろこしというのが定番なんです。まあ、最近はグローバル化の影響というか、それ以前からメキシコは常に北の隣人アメリカの強い影響下にありましたが(コカコーラの元社長が大統領になるくらいですから)、アメリカで人気のこの料理がメキシコシティなんかでも少し見られるようになりましたが、、、

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2006年8月30日 (水)

タコ?タコス?

 メキシコ料理で一番有名なものというと、やはり、「タコス」でしょう。しかし、このタコスは「タコ」の複数形だと知っている人は少ないのではないでしょうか?

 だから、厳密に言うと「タコスを一つ下さい」なんて言うのはおかしいんですね。でも、日本語には単数形と複数形の区別が無いので 、いちいち「タコ」と「タコス」で使い分けるのは無理だし、どっちかに統一しないといけない。本当は、単数形にするのが自然だけど、「タコ」だと「蛸」と間違えそうで紛らわしいし、みたいな理由で「タコス」にする、ということになったんでしょう。

 ぼくも昔は、この「タコス」という呼び方に随分違和感を感じていて、今となっては笑ってしまいますが、お店で頼む時に、メニューに「タコス」と載っているのに、わざわざ「タコ下さい。」とオーダーして、お店の人に「タコスですね。」と聞き返されたりしていました。

今では、そんな小さなことにはこだわらなくなって、わが「サルシータ」のメニューにも「タコス」と載っていますが。きりがないですからね、こんな「外国語」と「外来語」の違いを気にしていたら。

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