料理

2010年8月 6日 (金)

ガスパチョ

Gazpacho いやあ、毎日暑いですね。

出勤する朝と帰宅する深夜はいくぶん楽ですが、昼間に買い物や用事で外に出ると、一瞬で汗がばーっと吹き出てくるような猛暑です。

こんな毎日なので、最近はランチで出している「本日のスープ」はガスパチョばかり作っています。ガスパチョはスペイン南部アンダルシア生まれのトマトベースの冷たいスープ。夏野菜のトマトや胡瓜、ピーマンなどは体を冷やす効能がありますし、にんにくや酢なども入っていて、暑さでへばった体を甦らせてくれます。ぼくも経験ありますが、あちらの暑さはハンパじゃない!太陽がこれでもかというくらいに容赦なく照りつける猛暑の毎日でした。だから、皆さん、こんなスープを飲んでなんとか頑張るんでしょうね。あちらではマクドナルドでも売っているくらいポピュラーでした。でも、何故か、スペインに居た時は、そんなにガスパチョ、好きじゃなかった気がする。日本に帰ってきてから好きになって、今では夏には欠かせません。

ちなみに、お店では、メキシコの唐辛子、生のハラペーニョをアクセントに入れて、トッピングにあちらで定番のクルトンや胡瓜ではなく、細く切ったトルティーヤを揚げたもの、アボカド、コリアンダーをのせて「メキシコ風」にしています。

 ガスパチョは一晩くらい寝かせたほうが美味しいので、出す前の晩に作ることが多いのですが、先日、いつものように材料をミキサーに入れて回していたら、(ちなみにとても簡単に、火も使わずに作れるのも良いところですね。)アイポッドから流しているお店のBGMで、ちょうど、ホアキン・サビーナの"MUJERES DE ALMODOVAR"がかかったので、あのスペインの映画監督ペドロ・アルモドバルの傑作「神経衰弱ぎりぎりの女たち」の1シーンが頭の中に甦ってきました。主人公のぺパがガスパチョを作っていて、ちょっとした機転で中に睡眠薬を入れて尋問に来ていた警察官たちを眠らせてしまう、、、という場面でした。いやあ、あの映画、面白かったな、あれは1989年の夏、初めて行ったニューヨークで、この映画が大ヒットしていてこの監督が大好きになり、それから過去の映画を見まくって、新作も公開されるたびに見てきた、ぼくにとっては、ブニュエルと双璧の好きな監督ですね。

 ホアキン兄貴のその歌は、アルモドバル映画の題名をいろいろくっつけて歌詞にしてしまった名(迷?)曲、そういえば、アルモドバルが復帰のきっかけを作ったメキシコの大歌手、チャべーラ・バルガスとホアキンさんは大の仲良しでしたね、、、

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2010年5月21日 (金)

土佐 しらぎく

Shiragiku  昨日、所用で麻布十番を歩いていたら、以前の勤務先、はせがわ酒店のT専務とばったり遭遇、そのまま、十番にあるはせがわ酒店の新店舗に連行されちゃいました。以前からお店はあったのですが、今回、より広いところに移転されてたんですね。今度のお店は3階建てで1階は小売店、2階は営業チーム、3階はお酒の輸出などを手掛ける関連会社の事務所になっていました。この不況のなか、店舗を拡大するなんて、すごいですね。このT専務は、ぼくにとって人生の水先案内人のような方で、10代の頃に出会って仕事のイロハを教わり、20代の頃にはアメリカでの仕事を紹介されて、ぼくのメキシコとの出会いのきっかけを作り、30代では、お酒のことについていろいろ学ばせてもらいました。40代となった今では、別々の道を歩んでいますが、Tさんは、日本酒の素晴らしさを世界に広める活動をされていて、ぼくは、メキシコ料理の素晴らしさを日本で広める活動をしているので、同じようなことをしているとも言えますね。

 最近では、良い意味でのグローバル化で?外国でも日本の吟醸酒が売れているみたいです。ちなみに、ここの会社は、あのFIFA公認のワールドカップのオフィシャル日本酒まで売っているんですよ。

 お店を見せて頂いたので、せっかくだからと自宅での晩酌用に一本購入。大好きな銘柄、高知県の「土佐 しらぎく」の造りたての純米吟醸酒です。製造年月日、平成22年5月とかいてありました。醸したばかりの新酒ゆえ、まだ微発泡していて、開栓したとき、シャンパンのように泡が吹き出てきて、もったいないので思わず口を付けて飲んじゃいました。子供たちに笑われましたけど。

やっぱり、日本酒は美味しいですね。今回のは、生酒ゆえ、酵母が生きてる感じが、体に良さそうで、なおさら美味しく感じました。仕事柄、いつもは、テキーラとかワインを口にすることが多いからかもしれませんが、やはり、日本の誇るべき文化ですね。

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2009年2月24日 (火)

SOPA PARA ENFERMOS

Caldo_de_pollo_3 貧乏閑無し、ではないですが、お店は忙しくないのに、僕自身はとても多忙な日々が続いています。

 未曾有の大不況だから、今はじっくり耐えて、と行きたいところですが、そんな余裕も無いので、お店の知名度を上げるためにどうすれば良いか?固定費を下げるためにはどうすれば良いか?とか、悩むことばかりで、本業の料理に集中する時間が、なかなか取れません。まあ、今は、本業は料理人より、経営者モードですね。あまり得意ではないですけど、、、

 そんなこんなで、人員を削減している折り、先日のバレンタインデイは、とんだ大盛況で、こちらの対応がとても遅れてしまいまして、多くのお客さんをお待たせしてしまって、申し訳ないことをしてしまいました。深くお詫びいたします。

 まだまだ、寒いですね。先週は油断をして布団に入らずに居間でうたた寝をしてしまい、風邪をこじらせてしまいました。流行りのインフルエンザではなくて良かったのですが、、、

 本日は定休日ですが、明日のパーティの仕込みのため、お店に出かけて、鶏のスープをとりました。サルシータのメニューで出しているスープは、ランチの野菜のポタージュを除いては、基本的に鶏と鶏がら、香味野菜でとります。鶏のスープはメキシコでは基本です。スープはいろいろな唐辛子で風味を付けて供されますし、茹でられた鶏肉は、タコス、トスターダ、エンチラーダなど、いろいろな料理に使われます。鶏肉だけでとる場合は、40分くらいでとれますが、鶏がらも入れると、4,5時間かけないと良いスープがとれません。そして美味しいスープがとれたらすぐに氷水で冷やし、冷蔵庫に一晩入れておきます。そうすると、表面に鶏の脂分が凝固して、その下はコラーゲンでかすかにプルンとしたスープになっています。上の脂を取り除いて下の透き通った液体をお店のスープに使っています。

昔、「ブエナビスタソーシャルクラブ」という映画の冒頭で、当時90歳を過ぎてもまだ元気で現役だった歌手コンパイ・セグンドが、今は無きそのクラブで出されていた滋養たっぷりの鶏のスープを懐かしがっている場面があったと記憶していますが、このスープもすごく身体に良いのです。今だから白状しますと、恵比寿のお店だった頃は、一人で仕込みをしていて、買い物や新しい物件探しなど、いろいろなこともやらなくてはいけなかったので、本当はいけないと知りつつ、たまに、スープの鍋を弱火にかけたまま外出してあちこち駆けずり回っておりました。そんなある日、複数の用事を片付けて疲労困憊でお店に帰ったときに、鍋に煮えていたこの鶏のスープを一杯飲み干すと、たちまち、身体に染み渡り元気が戻ってきたことがありました。

 この鶏のスープにいろいろな野菜を加えたものは、メキシコでは、「SOPA PARA ENFERMOS」(病人のためのスープ)と呼ばれることもあるそうです。今日、風邪気味のぼくも、このスープを一杯飲んで元気を取り戻しました。明日からも頑張るぞ!

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2008年10月17日 (金)

サライに載ってます

Photo   

 昨日発売の、小学館の熟年向け雑誌「サライ」の「男の簡単料理」ソースの達人シリーズにて、アボカドを使ったソースとして「ワカモーレ」の作り方と、それに合う料理を二品紹介しています。是非、本屋さんで探して手にとって見てください。

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2008年9月17日 (水)

CHILE EN NOGADA

去る15日は、メキシコの独立記念日でした。この時期になると、メキシコ中のレストランが競うように作る料理があります。それが、「チレ エンノガーダ」という料理です。

あの「モレポブラーノ」と肩を並べるほどの名物料理ですが、作られるのが、この時期限定だからか、そんなに外国では知られていないようです。モレと同じく、プエブラの修道院の尼さんが創ったと言われていて、ポブラーノという大きなピーマンのような唐辛子にスパイスを効かせた挽肉、桃、レーズン、ナッツなどを詰めて、胡桃とチーズのクリーミーなソースをかけてザクロの実とパセリの葉っぱでメキシコの国旗の色に飾ったものです。

その名物料理を、21日まで限定でお出しすることにしました。詳しくは、サルシータのホームページをご覧下さい。

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2008年4月15日 (火)

フレンチコンプレックス

 先日、あるフランス料理のシェフの方のブログを紹介しました。ぼくはフランス料理が好きと言えるほどは食べていないのですが、メキシコ料理なんていうマイナーな(少なくとも日本では)世界にいると、ついつい、メジャーなフランス料理に対して羨望の念を抱いてしまうことも多いです。

 これは、メキシコのシェフ(そして、多分他のラテンアメリカ諸国のシェフにも)言えることのようで、ぼくが親しくさせてもらった、彼の国のシェフ達は、一様にフランスに対して憧れの念を持っていたように思います。

 まあ、これは料理だけでなく、社会に於いてもそうで、ラテンアメリカの国々が植民地から独立を果たし得たのも、フランス革命以後のフランスの自由や人権、民主主義を尊ぶ精神を受け継いだシモン・ボリバール等の指導者によってでした。

 メキシコの場合、スペインから独立を果たした後、フランスに支配されていた時期もあったので、フランスの影響はかなり大きいなと感じることがあります。いつか取り上げた「悲劇週間」という本の中では、若き日の詩人、堀口大學はフランス語を学ぶためにメキシコに行っています。当時のメキシコの上流社会ではフランス語が公用語だったからです。メキシコの料理にもフランス料理の影響は大きいです。向こうのレストランでよく出されるクレープやキッシュの変形のブディンなどは明らかにフランス起源です。

 確かにフランス料理は偉大だなと思います。ミシュランのガイドブックに載るようなお上品なフレンチには、あまり興味は無いのですが、家庭的な料理に美味しいものが多いと思います。忙しい時なんか賄いでよく作るんですが、豚肉を大きな塊りのまま白ワインと香味野菜と一緒に大きな鍋に入れて弱火でコトコト煮るだけの「ベッケオフ」という料理や骨付きの鶏肉を蒸し煮にして煮詰めた赤ワインビネガーを絡ませるだけの料理とか、手軽に出来てとても美味しい料理が沢山あります。フランス料理が優れているのは、素材を無駄なく使いこなす知恵と、やはり、ワインやビネガー、バター、クリームなどの発酵食品、乳製品が調味料として大変優れているからだと思います。

 ちょっとズルイなと思うのは、フランス料理というのは、技法として完成されていて、世界中から色々な素材やスパイスをつまみ食い宜しく持ってきて使ったとしても、「フランス料理」として認めてもらえるという点です。例えば、ビストロの定番メニューに、豚のあばら肉をソテーしてじっくり炒めた玉ねぎと白ワインを煮詰め、マスタードとピクルスを効かせたソースをかける料理がありますが、マスタードとピクルスの代わりにメキシコの唐辛子を入れてみたらどうでしょうか?じゅうぶん美味しい料理になると思いますが、フランス料理のままですよね。逆にメキシコ料理に赤ワインやバターを多用すると、もうメキシコ料理ではなくなってしまうでしょう。

 ついつい、長くなってしまいました。そういえば、うちの店はフランス大使館のすぐ近くなので、フランス人のお客さんもよくお見えになられます。味の肥えたフランスの方にも支時されているようなので、メキシコ料理もまんざら捨てたものじゃない、ということで、結論にさせて頂きます。お休みなさい。

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