2009年2月24日 (火)

SOPA PARA ENFERMOS

Caldo_de_pollo_3 貧乏閑無し、ではないですが、お店は忙しくないのに、僕自身はとても多忙な日々が続いています。

 未曾有の大不況だから、今はじっくり耐えて、と行きたいところですが、そんな余裕も無いので、お店の知名度を上げるためにどうすれば良いか?固定費を下げるためにはどうすれば良いか?とか、悩むことばかりで、本業の料理に集中する時間が、なかなか取れません。まあ、今は、本業は料理人より、経営者モードですね。あまり得意ではないですけど、、、

 そんなこんなで、人員を削減している折り、先日のバレンタインデイは、とんだ大盛況で、こちらの対応がとても遅れてしまいまして、多くのお客さんをお待たせしてしまって、申し訳ないことをしてしまいました。深くお詫びいたします。

 まだまだ、寒いですね。先週は油断をして布団に入らずに居間でうたた寝をしてしまい、風邪をこじらせてしまいました。流行りのインフルエンザではなくて良かったのですが、、、

 本日は定休日ですが、明日のパーティの仕込みのため、お店に出かけて、鶏のスープをとりました。サルシータのメニューで出しているスープは、ランチの野菜のポタージュを除いては、基本的に鶏と鶏がら、香味野菜でとります。鶏のスープはメキシコでは基本です。スープはいろいろな唐辛子で風味を付けて供されますし、茹でられた鶏肉は、タコス、トスターダ、エンチラーダなど、いろいろな料理に使われます。鶏肉だけでとる場合は、40分くらいでとれますが、鶏がらも入れると、4,5時間かけないと良いスープがとれません。そして美味しいスープがとれたらすぐに氷水で冷やし、冷蔵庫に一晩入れておきます。そうすると、表面に鶏の脂分が凝固して、その下はコラーゲンでかすかにプルンとしたスープになっています。上の脂を取り除いて下の透き通った液体をお店のスープに使っています。

昔、「ブエナビスタソーシャルクラブ」という映画の冒頭で、当時90歳を過ぎてもまだ元気で現役だった歌手コンパイ・セグンドが、今は無きそのクラブで出されていた滋養たっぷりの鶏のスープを懐かしがっている場面があったと記憶していますが、このスープもすごく身体に良いのです。今だから白状しますと、恵比寿のお店だった頃は、一人で仕込みをしていて、買い物や新しい物件探しなど、いろいろなこともやらなくてはいけなかったので、本当はいけないと知りつつ、たまに、スープの鍋を弱火にかけたまま外出してあちこち駆けずり回っておりました。そんなある日、複数の用事を片付けて疲労困憊でお店に帰ったときに、鍋に煮えていたこの鶏のスープを一杯飲み干すと、たちまち、身体に染み渡り元気が戻ってきたことがありました。

 この鶏のスープにいろいろな野菜を加えたものは、メキシコでは、「SOPA PARA ENFERMOS」(病人のためのスープ)と呼ばれることもあるそうです。今日、風邪気味のぼくも、このスープを一杯飲んで元気を取り戻しました。明日からも頑張るぞ!

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2008年10月17日 (金)

サライに載ってます

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 昨日発売の、小学館の熟年向け雑誌「サライ」の「男の簡単料理」ソースの達人シリーズにて、アボカドを使ったソースとして「ワカモーレ」の作り方と、それに合う料理を二品紹介しています。是非、本屋さんで探して手にとって見てください。

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2008年9月17日 (水)

CHILE EN NOGADA

去る15日は、メキシコの独立記念日でした。この時期になると、メキシコ中のレストランが競うように作る料理があります。それが、「チレ エンノガーダ」という料理です。

あの「モレポブラーノ」と肩を並べるほどの名物料理ですが、作られるのが、この時期限定だからか、そんなに外国では知られていないようです。モレと同じく、プエブラの修道院の尼さんが創ったと言われていて、ポブラーノという大きなピーマンのような唐辛子にスパイスを効かせた挽肉、桃、レーズン、ナッツなどを詰めて、胡桃とチーズのクリーミーなソースをかけてザクロの実とパセリの葉っぱでメキシコの国旗の色に飾ったものです。

その名物料理を、21日まで限定でお出しすることにしました。詳しくは、サルシータのホームページをご覧下さい。

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2008年4月15日 (火)

フレンチコンプレックス

 先日、あるフランス料理のシェフの方のブログを紹介しました。ぼくはフランス料理が好きと言えるほどは食べていないのですが、メキシコ料理なんていうマイナーな(少なくとも日本では)世界にいると、ついつい、メジャーなフランス料理に対して羨望の念を抱いてしまうことも多いです。

 これは、メキシコのシェフ(そして、多分他のラテンアメリカ諸国のシェフにも)言えることのようで、ぼくが親しくさせてもらった、彼の国のシェフ達は、一様にフランスに対して憧れの念を持っていたように思います。

 まあ、これは料理だけでなく、社会に於いてもそうで、ラテンアメリカの国々が植民地から独立を果たし得たのも、フランス革命以後のフランスの自由や人権、民主主義を尊ぶ精神を受け継いだシモン・ボリバール等の指導者によってでした。

 メキシコの場合、スペインから独立を果たした後、フランスに支配されていた時期もあったので、フランスの影響はかなり大きいなと感じることがあります。いつか取り上げた「悲劇週間」という本の中では、若き日の詩人、堀口大學はフランス語を学ぶためにメキシコに行っています。当時のメキシコの上流社会ではフランス語が公用語だったからです。メキシコの料理にもフランス料理の影響は大きいです。向こうのレストランでよく出されるクレープやキッシュの変形のブディンなどは明らかにフランス起源です。

 確かにフランス料理は偉大だなと思います。ミシュランのガイドブックに載るようなお上品なフレンチには、あまり興味は無いのですが、家庭的な料理に美味しいものが多いと思います。忙しい時なんか賄いでよく作るんですが、豚肉を大きな塊りのまま白ワインと香味野菜と一緒に大きな鍋に入れて弱火でコトコト煮るだけの「ベッケオフ」という料理や骨付きの鶏肉を蒸し煮にして煮詰めた赤ワインビネガーを絡ませるだけの料理とか、手軽に出来てとても美味しい料理が沢山あります。フランス料理が優れているのは、素材を無駄なく使いこなす知恵と、やはり、ワインやビネガー、バター、クリームなどの発酵食品、乳製品が調味料として大変優れているからだと思います。

 ちょっとズルイなと思うのは、フランス料理というのは、技法として完成されていて、世界中から色々な素材やスパイスをつまみ食い宜しく持ってきて使ったとしても、「フランス料理」として認めてもらえるという点です。例えば、ビストロの定番メニューに、豚のあばら肉をソテーしてじっくり炒めた玉ねぎと白ワインを煮詰め、マスタードとピクルスを効かせたソースをかける料理がありますが、マスタードとピクルスの代わりにメキシコの唐辛子を入れてみたらどうでしょうか?じゅうぶん美味しい料理になると思いますが、フランス料理のままですよね。逆にメキシコ料理に赤ワインやバターを多用すると、もうメキシコ料理ではなくなってしまうでしょう。

 ついつい、長くなってしまいました。そういえば、うちの店はフランス大使館のすぐ近くなので、フランス人のお客さんもよくお見えになられます。味の肥えたフランスの方にも支時されているようなので、メキシコ料理もまんざら捨てたものじゃない、ということで、結論にさせて頂きます。お休みなさい。

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