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2010年10月

2010年10月28日 (木)

TVの反響

Pipian このところ、ぐんと寒くなってきました。季節の移ろいは早いですね。もうすぐ、ハロウイーン&死者の日、それが終わったらクリスマスがもう待っています。

 慌ただしい日々ですが、ただ、流されないように、少しずつでも前進していきたいです。

 この前、BSフジで放映された、「大使館の食卓」、うちは衛星放送は見れないのでリアルタイムでは見てなかったのですが、番組の制作会社の方がDVDを送って下さったので、見ることが出来ました。メキシコ大使が、お勧めレストランとしてサルシータを紹介して下さったところは、やはり、感激しました。メキシコを代表して日本に来てる方が認めて下さったのだから、、、商売的には不利でも、認知度の高いテックスメックス系ではなくて、あまり知られていない本場スタイルにこだわってきて良かったと、今までの苦労が吹っ飛ぶ思いでした。

 番組放映から、暫く経ちましたが、テレビを見たと言って訪ねて下さったり、今度行くからと遠方から電話を下さったりする方が何人かいらっしゃいました。

 番組を見て来店される方達は、メキシコ大使が勧めていたお店だからと、大きな期待を持っていらっしゃるので、それを裏切らないよう、ぼくはメキシコ人ではないけれど、大げさでなく、メキシコ国旗を背負ったつもりで頑張って料理を作らないといけないと改めて思いました。

 写真は鶏肉に、かぼちゃの種と緑のトマトの「ピピアン」というソースをかけた料理です。先週のランチでお出ししていました。別名「緑のモレ」とも呼ばれています。メキシコの隣の国グアテマラにも同じ名前の料理がありますが、中身はちょっと違うみたいです。

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2010年10月22日 (金)

犬の力

51gs7bq6fnl__sl160_ 10月も終盤に差し掛かり、ぐんと涼しくなりました。フリースが活躍する季節ですね。実は、先週末、厨房のオーブンを掃除していて、無理な体勢を取り続けたせいで、(業務用のオーブンは奥行きがあるので、体をけっこう捻らないと一番奥まで届かないのです。)今週はずっと筋肉痛に悩まされています。体が柔らかいのが自慢だったのに、、、年齢を感じますね。

 さて、前からマークしていたのですが、読みだすと嵌っちゃいそうで怖くて(なんせ、上下巻で1000頁超の長さなので)遠ざけていた小説をついに読んでしまいました。やはり、予想通り、読み始めると止まらなくなって、多忙な日々の間隙を縫って読んでしまい、5日間で読み終わりました。最後の方は読み終わるのがもったいない感触を久々に味わいました。

 ドン・ウイズロウ著 「犬の力」

去年の「このミステリーがすごい」の海外部門第一位に選ばれて、けっこう話題になりましたよね。物語は、メキシコを主な舞台に麻薬取り締まりに執念を燃やすDEA捜査官のメキシコ系アメリカ人アート・ケラーとメキシコの一大ドラッグカルテルの頂点へと登り詰めようとするバレーラ兄弟の30年に渡る闘いを、70年代から今世紀初頭に至るメキシコ、中南米、合衆国の現代史を背景に描いています。

 まさに血で血を洗うような抗争なのですが、登場人物の内面も良く描かれているところが魅力のひとつでしょうか?無慈悲な殺人を犯す男たちも、実は、普通の感情を持った人間で、しかし、周りの状況に巻き込まれてどんどん、後戻り出来なくなって行ったり、、、

 特に80年代後半から90年代初めにかけては、ぼくも、この物語の舞台に居たこともあり、とても印象に残りました。ニカラグア内戦から、イランコントラ事件、コロンビアのパブロ・エスコバール達の麻薬戦争、左翼ゲリラの戦争、大統領候補ガランの暗殺、エルサルバドルの内戦、大司教ロメロの暗殺、メキシコの疑惑の88年大統領選挙、続く94年選挙での大統領候補ルイス・コロシオの白昼の暗殺劇、NAFTA発効、サパティスタの蜂起、、、すべて本当に起こったことで身近で報道に接していたことが、麻薬カルテルや犯罪組織を通じてひとつの壁画のように連なって語られています。

 対立する二人の主人公、アート・ケラーとアダン・バレーラが、実は似通った人間性を持っていて、コインの裏と表(メキシコ風に言うと鷲と太陽)のように思えるところは、手塚治虫さんの「アドルフに告ぐ」やベルナルド・ベルトリッチの「1900年」を思い出しました。

 複数の物語が違う場所で同時に展開するところは、ちょっと、今年、今更ながらノーベル文学賞を受賞したペルーの作家、バルガス・リョサの長編「緑の家」を思い出したり、、、(ちょっと強引か?)

 虚無感の中に一筋の希望の光が見えるラストの余韻に、しばらくは浸れそうです。

 

 

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2010年10月19日 (火)

秋のお勧めメニュー

Pera 朝晩が涼しくなってようやく本格的な秋の訪れを感じる今日この頃、、、あれだけ暑かった夏も遠くなりましたね。

 さて、サルシータに明日から登場する秋のお勧めメニューのご紹介です。まずは、

梨と柿のメキシコ風アペタイザー  ¥450

塩とライムと唐辛子の組み合わせがメキシコ人の大好物であることは、度々このブログで強調していますが(笑)、やはりこの組み合わせと、特に完熟するちょっと手前のしゃきしゃきした食感の果物とはとても相性が良い!日本の秋の味覚である梨と柿は、どちらもほのかな甘みと酸味が特徴で、この味付けにはピッタリとハマりました!

 自然の恵みである、季節の果物を、こんな風に楽しむのはとても粋で洒落ていませんか?ぼくは、この味を日本で広めたい!と思っています。唐辛子は日本の鷹の爪に似た風味のアルボルを使っています。食事の始まりの、最初の一皿としては最高だと思います。メキシコ通の方なら肯かれると思いますが、特にテキーラとの相性は抜群です。ビールやきりりと冷えた白ワインとも合いますね。

椎茸のにんにくとグアヒーヨオイル煮 ブリーチ-ズ添え ¥800

Shiitake_2 やはり日本の秋の味覚である肉厚の椎茸をスペイン産のニンニクとメキシコの唐辛子グアヒーヨの旨味と香りを移したオイルでぐつぐつ煮てフランス産の白カビチーズ「ブリー」を加えてさらにオーブンで熱々に仕上げています。スペインのバルの人気タパスに、マッシュルームをカスエラ(土鍋)に入れてにんにくと唐辛子のオイルで熱々に煮たものがありますが、そのイメージで作りました。

食材的には、滋味深い和の椎茸とスペインの皮が紫色で香りの強いにんにく「アホ モラード」、メキシコの旨味の強い唐辛子「グAjo_moradoアヒーヨ」、フランスのマイルドなチーズ「ブリー」と、「味の多国籍軍」といった感じでしょうか?

 ただでさえ美味しい椎茸がグアヒーヨの旨味を吸って、すごく美味になっています。ほくほくとしたにんにく、椎茸とは「カビ繋がり」で相性の良いブリーがとろっと熔けて最高です。

下の写真は、今回使っているスペイン産のにんにくです。小粒ですが、とても良い香りで気に入っています。

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2010年10月18日 (月)

死者の日の祭壇

Ofrenda 広尾の街界隈がハロウイーンのかぼちゃで溢れだすこの頃になるとサルシータに登場するのが、「死者の日の祭壇」です。

 今年も「死者の日のパン」を焼きましたが、計量ミスで砂糖を多く入れ過ぎてしまい、発酵が不十分で小さなパンになってしまいました。(汗)

 骸骨の飾りとナショナルのお花屋さんで見つけたマリゴールドの花をお供えしてなんとか今年もそれらしくなりました。

ご来店の際は、ぜひDead_guy見てみて下さい。

 そして、今年はこんなビールもお出ししています。

「デッド ガイズ エール」

ラベルに骸骨の絵が描かれているこのユニークなビールはアメリカ合衆国オレゴン州のポートランドにある、ビール通の間では有名なローグ醸造所で作られています。もともとは、彼の地にあった「カサユーベッチャ」というレストランバーのために作られたようなんですが、その店はあえなく閉店してしまい、ビールだけが残ったようです。スペイン語で「家」をあらわす「カサ」という単語が店名に入っているところからも推察されますが、メキシコ系の料理を出していたようです。そして、このビールは西海岸で人気のあったロックバンド「グレートフルデッド」のファンの間で人気だったそうです。味はホッAmarillo プが効いていてカラメルのような香りもして、ヨーロッパタイプです。美味しいですよ。ニューヨークに住んでいたときによく飲んでいた「ニューアムステルダム」や「ブルックリンラガー」に感じが似ていますかね。

 それから、オアハカ地方の名物料理「モレアマリーヨ」(黄色いモレ)もやっています。この料理は「死者の日」に奉げる花、マリゴールドの仲間の「センバスチル」に色が似ているのでこの時期によく食べられるそうです。マッシュルームのような形のお団子のようなものが入っていますが、これはトルティーヤの材料のとうもろこしの粉「マサ」で作ったもので「チョチョヨーテ」と呼ばれています。イタリア料理にある「ニョッキ」に感じが似ているかもしれません。これを鶏の出汁で茹でて、茹で汁ごと加えることで味に深みがぐんと増すのです。

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2010年10月15日 (金)

今度の日曜日、BSフジにて紹介されます!

そういえば、先日のブログでは書き忘れましたが、今度の日曜日(17日)の午後9時より放送の大使館の食卓という番組にて、「メキシコ大使館おすすめのレストラン」として紹介していただくことになりました。メキシコから来たシェフが腕を奮っている店もあるのに、日本人の僕のお店を選んでもらえて、とても光栄におもいます。

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2010年10月13日 (水)

流れ行く日々

 またまた、ご無沙汰してしまいました。どうも、最近、お店のほうが忙しくて、、、いや、別にお客さんがどっと増えてってわけでは全く無いのですが、いろいろとメニューなどで変えたりすることが多いのです。新着テキーラ、ワイン、ビール、新しい食材、新しいメニューなどなど、後、定期的にサルシータを利用して下さるメキシコ在住経験のある方達やテキーラ好きの方達のお食事会のコースメニューを考えたり、、、マスコミの取材もあったり、、、もちろん、個人店のオーナーとして、業者さんや銀行やスタッフとの付き合い、事務処理なんかもこなしながらです。

 忙しいながらも、日々、いろいろなことを感じて仕事をしています。そして、このことには感謝です。好きな仕事を出来ているのですから、、、なにも考えないようにしないとやっていけないような仕事だってあるんですから、、、週100時間近く働いていて、さすがに肉体的には疲れますが、来店してくれたお客さんに「美味しかった、ありがとう。」と言って頂けるとそれも吹っ飛びます。

Poblano_2  最近感じてること・・・野菜の値段がとても高い!今年の異常気象で、野菜の出来が悪く、トマトやレタスなどがとても高いですね。例年の1.5倍から2倍近いのではないでしょうか?原価が上がって大変ですが、農家の方々はもっと大変でしょうね。「チレ エンノガーダ」に使う「チレポブラーノも今年は出来ませんでしたし、、、

 

017_2 アボカドが新物に変わった! これも世界的な異常気象の影響だと思うのですが、アボカドが新物に入れ替わる時期が、段々遅くなっています。以前は7,8月だったのが、最近はこの時期ですからね。今年はメキシコで雨が多かったそうで、いつも脂肪分が少ない新物が、更に少ないようです。サルシータではこの時期になるとアボカドオイルが活躍します。新物アボカドで作るグアカモレは、味がスカスカになりがちなので、このオイルで脂分を補充して味を調整しています。それでも、今から冬にかけてはグアカモレはちょっとあBistecっさり気味になると思います。

  メキシコのビーフを始めた! メキシコものを得意とする肉屋さんとのお付き合いが始まって、メキシコの大畜産地、ソノラ州のビーフのサーロインステーキを始めることになりました。タコスのビーフもメキシコ産の物に変わっています。赤身の味は適度にコクがあって美味しいですよ。ランチでも180gのステーキを1200円でお出ししています。

 Salsita200821 メキシコのバニラを始めた!バニラも、唐辛子やアボカドやチョコレートなどと同じく、メキシコ原産だって知っていました? 最近、その原産地のメキシコ、ベラクルース州北部から良質のバニラが輸入されるようになりまして、サルシータでも各種デザートに使わせて頂いています。このバニラについては、また、詳しく紹介しますね。

 

Bunuel 読むブニュエルにハマった! この夏に二回に渡って「真夏の夜のブニュエル」と題した天才映画監督ルイス・ブニュエルのイベントを催したこともあり、自分の中で、ブニュエル熱が再燃、彼について取り上げた昔の雑誌「ユリイカ」をネットで購入、今度は「読む」ブニュエルに嵌りました。いろんな方がブニュエルについて熱く語っていて面白かったです。ブニュエルの魅力は人間の「欲望」について「真面目」に追及していて、それが時に「滑稽」に見える(見せる)こと、なのではと自分なりに納得。この本の中で爆笑したエピソードをひとつ、、、ラテンアメリカ文学研究の野谷文昭先生と作家の金井美恵子さんとメキシコ映画に詳しい映画研究家の金谷重朗さんの鼎談で金井さんが紹介されていたのですが、ブニュエルのメキシコ時代の作品「皆殺しの天使」の試写会での出来事、待ちに待ったこのシュールレアリズムの傑作を観ることが出来ると張り切って出かけた金井さんの前に座ったのは年配の著名な映画評論家二名、彼らは、なんと映画が始まったとたん、グーグーと高いびきで居眠りを始めました。こんな傑作を前にと苛々しながら観ていた金井さん、映画が終わると件の二人はパッチリと目を覚まして、いやあシュールだったねえ、面白かったねえあ、さすがブニュエル、と言い合っていたそうです、、、

Del_maguey  先日、最近、恒例に成りつつある、「テキーラとメキシコ料理の会」の際に、日本テキーラ協会の林会長から素晴らしいメスカルをお裾分けして頂きました。これにはビックリ!とても香りが良く、初めにフルーティーな甘みとかすかな酸味を感じます。味はとてもスムーズでプレミアムテキーラのよう、そして最後に感じるスモーキーさは紛れも無いメスカルのもの!この余韻が驚くほど長く続き、そして鼻に心地よく抜けていきます。"Del Maguey"というブランドが出しているスーパーメスカルだそうですが、日本では、まだ未発売でしょうね。メスカルにも美味しいものがまだまだあるんですね。いやあ、お酒は、メキシコは奥が深いです。

Izumi_8sai 上の娘が昨日、8才になりました。二人の娘には、普段、父親らしいことをやれてあげられなくて申し訳ないですが、元気に育ってくれました。夜遅く、クタクタになって帰ってきても、寝る前に彼女達の寝顔を見ると心が癒されます。そして明日も頑張ろうと思えます。

育児をまかせっきりにしている奥さんにも感謝です。

 

 

 

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