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2010年4月20日 (火)

アメリカ人とラード その2

ラード話の続きです。

メキシコ料理のレシピ本って、日本語で書かれたものはほとんど無いので、(代官山の老舗「ラ カシータ」の渡辺シェフが出しておられますが、おこがましいですが、一応ライバル店なので、同じような料理を作ってしまうといけないのでぼくは見ないようにしております。)英語やスペイン語で書かれたものを参考にすることが多いのですが、アメリカ人のメキシコ料理のシェフのラードに対する記述が面白いんです。

 例えば、シカゴの「フロンテラ グリル」という有名店のオーナーシェフのリック・ベイレスさん、この方は何冊も料理本を出しているスターシェフですが、この人の本でラードを取り上げているコラムはこんな書き出しで始まります。

 "I feel like I'm steppinng on a land mine whenever I mention the word lard." ラードという言葉を口にしようとする時は、いつでも地雷の上を踏んでいる気分になると言っているのですね。コラムはこう続きます。「それは、最も素晴らしい人達からもとても感情的な反応を引き出す。もし、ラードがメキシコ料理の一部ならば、私は何人かに言われた、、、もうそんなものとは一切関わりたくない。」

 このコラムの続きで、リックさんは、実はバターの方がラードより脂肪分もコレステロールも高いのに、フランス料理に対してこんな反応はあり得ないこと、健康な食生活を送るためには、肉類や精製された食品の摂取を減らすことが大事で、自然に調理されたラードを適量摂ることは許される範囲内であるといったことを力説しておられます。

 他の著作でもリックさんは、ラードはバターよりもコレステロールが低いと証明されていることを述べて、「前にもこのことは書いたが、多分、あなた達は忘れていると思うので、念のためにもう一度書かせてくれ。」とユーモアたっぷりに書いています。

 他の有名シェフの料理本などでは、ラードを材料に入れるとやばいと思ったのか、タマルなんかのメキシコではラードは必須と認識されている料理のレシピでも、始めからバターや植物油、ショートニングで代用したレシピが載せられていることもありますね。

 ただ、メキシコ南部のオアハカ州にルーツを持つニューヨークのレストランのシェフ、サレラ・マルティネスさんは、その地方の料理について書いた本の中でこう書いています。「ラードを使わないモレは、まだ許せる。だけどラードを使わないタマルは破滅的である。」

"disastrous"という強い言葉で強調してありました。

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