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2006年10月 9日 (月)

トゥクマンの月

 夜は物を想う時間だからだろうか。月を題材にした歌がラテン音楽にはたくさんある。

 その中で極め付きの名曲と言えば、アルゼンチンのフォルクローレの巨匠,アタウアルパ・ユパンキの「トゥクマンの月」。ユパンキの曲は皆そうだが、余計な伴奏は一切無く、この曲も彼のギターと低い歌声のみ。アンデスの大地を、夜、旅することが多かった吟遊詩人であった彼には、月はかけがえの無い友であった。だから歌う。「ただ照らしてくれているから、お前に歌うんじゃない、月よ、お前は私の長い道のりを知ってくれているから歌うんだ。」大地に沈む月がユパンキにはこう見えた。「希望に満ちてだったか、悲しみに打ちひしがれてだったか、アチェラルの野を行った時、とうきび畑に口づけしている優しい月を見た。」そして月に自分の運命を重ねる。「お前と私はどこか似ている。月よ、お前はその光で人を照らす。私は私の歌で人の心を照らす。」

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